第27章 小さな太陽と大きな背中
『あの、さ?』
影「あ?」
一緒に作った夕飯を盛り付けながら、ぎこちなく声をかける。
会話をしたい、というより・・・
お互いに無言のままでいる事が、自分の家にいるのに息苦しさを感じる。
『ハンバーグ、美味しそうだね』
何度か口をパクつかせながら、やっと出た言葉が・・・そんな言葉だった。
影「美味しそうじゃなくて、美味しいんだろ?・・・お前と作ったんだから。それから、さっきの話はもう深入りしねぇから警戒すんな」
『別に警戒してるつもりはないけど・・・なんか影山が何も話さないのは怖いっていうか、不機嫌っぽいって言うか』
影「それはお互い様だ」
お互い様だって言われても、私はそんな不機嫌丸出しにした事ないんだけど・・・
って、言いたいけど。
言えば絶対本格的に不機嫌になりそうだから、言わない。
影「つーか、ハンバーグって作んの簡単に出来ると思ってたけど、案外手間かかんのな」
『は?』
影「キッチンなんて立つことなかったから」
急に何を言い出すかと思ったら、そういう事?
『まぁ、私の場合・・・普段から何かしら作ってるから手間とかあんまり考えたことなかったかも。でも最初から最後まで一緒に作ったから、初めての共同作業だね!』
影「はっ?!」
『ん?なに?』
だってキッチン立つことなかったんだったら、そういう事なんじゃないの?って思ったんだけど。
影「・・・・・・いや、何でもねぇ」
『そう?・・・じゃ、いいけど』
ピピピピッと音が鳴り、炊飯器がご飯を炊き上げた合図をしてくる。
『ね、炊きたてご飯でハンバーグ食べようか?桜太にぃ達はまだ帰らないし。座ってて?すぐ持っていくから』
影山が頷くのを見てテーブルに配膳をする。
2人しかいないから、自動的に向かい合わせになる配膳になるけど・・・その方がいろいろと会話もしやすいし。
そんな事を考えながら料理を運び、最後に麦茶を持ってテーブルについた。
『じゃ、食べよう?・・・いただきます』
影「いただきます・・・」
学校でお弁当を食べたりするのは当たり前の様になってたけど。
こうやって自分の家で家族以外と2人でって言うのは、よく考えたら初めてかも知れない。
ちょっと、擽ったいような・・・変な感じ。
そんな風に思い始めると、何となくソワソワと落ち着かない。