第27章 小さな太陽と大きな背中
~岩泉side~
さっきの様子は、明らかに何かが変だった。
何が?
どこが?
ひとつひとつを思い出し、自分の中で消化していく。
影山と帰ってんのは、家が近いからだろう。
あの2人、ホントに家近ぇしな。
・・・待てよ?
影山のやつ、紡の手を引いて歩いて行ったか?
いや、そこじゃねぇな。
早く行くぞ、くらいの感じで。
手を繋ぐというより、引っ張って行った、の方が正しいだろう。
じゃあ、何がおかしかったんだ?
コンビニから出てすぐ、急に及川が足を止めて、あぶねぇだろと言いながら移した目線の先にいた紡と影山。
声をかけた及川。
・・・俺が感じた違和感は、ここだ。
あの時の紡は、影山に半身を隠していた。
更に言えば、その影山の腕に手を添えていた。
あれは・・・アイツが不安な時にする癖だ。
実際、俺も何度か経験がある。
大きな大会の前、大事な試験の前、立ちはだかるような不安を前にした時・・・
何かに縋る・・・というワケじゃねぇが、例えばそういう感じの時の・・・癖。
その時の会話をもう1度思い出す。
確か・・・
及「せっかくの偶然だし、みんなで一緒に帰、」
『すみません!この後まだ用事があるので』
及「ヤダなぁ、そんなに警戒しないでよ?別に今日は何もしないからさ?」
・・・警戒?
今日は何もしない?
・・・・・・何が、あった?
及川と並んで歩いていた足が、止まる。
及「岩ちゃん?急に立ち止まったりして、どうしたの?」
何でもないいつもの及川が、妙に癇に障る。
及「お~い?岩ちゃ~ん?」
「及川お前・・・」
及「ん?」
「紡に・・・なに、した?」
カラカラと渇く喉から絞り出すように言うと、及川の顔色が変わる。
及「別に?」
「何をしたんだって、聞いてる」
及「だから、何も?」
あくまでも、シラを切るつもりか?
そう思いながら、ジッと及川を見続ける。
及「ホントに何もしてないって・・・・・・しちゃいそうだったけどね」
「及川テメェ・・・」
胸ぐらを掴み、思わず詰め寄る。
及「その手を離しなよ岩ちゃん。オレがどこで何しようが、岩ちゃんには関係ないん、」
「関係ないわけねぇだろ!」
及「・・・ないだろ?もう、全部おわってんだから、さ?」
ヒヤリとする視線を俺に向けながら及川が言った。