第27章 小さな太陽と大きな背中
スルリと影山の前に入り込み、さっきと同じように、今度は手を添えて教える。
『軽~く滑らせればいいだけだから、あんまり力入れたら危ないから』
説明していると頭に重みがかかり、それが影山のせいだと分かるのに時間はかからなかった。
『ちょっと、真面目に聞いてる?それから、私の頭にアゴ乗せないでよ』
影「聞くのやめようと思ってたけど、モヤモヤするからやっぱ聞く」
『・・・なに?』
何となく、これから何を聞かれるのか予想がついて・・・少し、身構えた。
影「お前・・・及川さんと何があった?」
身構えていたはずなのに、体がピクリと反応してしまう。
『別に・・・何も』
影「じゃあ、もう一つ聞く・・・何もないなら、なんでそんな顔、してるんだ?」
『やだなぁ、影山。そんなに私の事が気になる?』
振り向きながら、わざとおどけるように動いて・・・無理やり笑ってみせる。
影「はぐらかすなよ」
いつもは、全然そんなこと言わないのに。
やっぱり、さっき及川先輩との微妙な感じが影山にもバレてるとか?
『わかった、言うよ・・・ちょっと、揉めちゃって』
影「揉めた?」
『うん・・・でも、大丈夫だったから。ちょうど通りがかった国見ちゃんが間に入ってくれて助けてくれたし。それだけ』
影「・・・国見?」
『さってと、ハンバーグ作らないとね~!あ、影山はちゃんとそれやっつけてよ?目玉焼きもだよね?半熟?あ、温玉っていう手もあるけど~?』
それ以上聞かれるのが怖くて、サッと影山から離れて冷蔵庫を開けて姿を隠した。
もし、そこから先を聞かれたら。
あの時感じた及川先輩への恐怖を思い出してしまう。
それが一番、怖かったから・・・