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【 ハイキュー !!】~空のカタチ~

第25章 追憶


私は桜太にぃに、意識が飛んでいた時の事を話した。

岩泉先輩の事はさすがに言えないけど。

でも、あの浜辺で見た事を話すと、桜太にぃは驚きながらも気にするな、っていいながら笑った。

桜「あの時はホントに足を滑らせた紡しか見てなくて、自分も足場が悪い所にいるのを忘れてたんだよ。だから、紡のせいじゃない。ケガをしてたくさん血が流れてたのは、悪いオバケのせいなんだ。わかった?」

『でも、慧太にぃも泣きそうだったし・・・』

桜「あの時は確かに痛かったよ?だけどね、紡。俺達はサンタクロースと約束した事を守っただけ。それでも気にするなら・・・そうだなぁ・・・どうしようかなぁ・・・」

え、なんだろう・・・

こういう風に笑いながら考える時の桜太にぃって、なんかヤバイ。

今までもこういう時は大概・・・お仕置きとか罰ゲームとか考えてる時で・・・

3人で遊んでいた時の慧太にぃに命じた罰ゲームは・・・それは、もう・・・とんでもない内容だった・・・

桜「決めた」

1人でウンウンと頷く桜太にぃに、私は身を案じながら耳を傾けた。

桜「紡?どうしても気にするなら、これからもずっと、今まで通り俺と慧太に遠慮なく甘える事。それで許してあげるよ。ちなみにこれは拒否権ないからね」

『あ、あ~・・・それは・・・』

桜「拒否権はないよ?」

・・・・・・。

桜「紡、返事は?」

『・・・・・・・・・はい』

桜「なんか凄く間があったけど?」

言いながら桜太にぃが笑う。

『さっき・・・まだ桜太にぃが寝てる時に、早く大人になりたいとか、甘えっ子するのやめようとか・・・思ってたから』

抱えた膝を更に抱き寄せポツポツと言うと、桜太にぃはフッと息を吐き、私の頭に手を乗せた。

桜「急いで大人にならなくてもいいよ。誰しも必ず、大人にはなるんだからさ。だから紡は、今しかない貴重な時間を、大切に過ごせばいいんだ。大人になって壁にぶつかった時、それがその先への糧になるように。ね?」

壁に、ぶつかった時・・・

いま・・・ぶつかってる時は、どうしたらいいんだろう。

でも、これは私の気持ちの問題で。

自分で解決して、自分で乗り越えないといけない問題だから・・・聞けない、よね。

桜「また難しい顔して」

頭を置いていた手で、眉間をつつかれる。

桜「背中はいつでも、押してあげるから」


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