第25章 追憶
なんだよ、青城だけでも敵は多いじゃん。
矢巾さんもナンパしてたとか言ってたしな。
それに加えて、更に烏野陣。
主将に、ベンチにいた3年に、メガネに、影山に、やたら叫ぶスパイカーに、ちっこいヤツに・・・
あと、アイツ。
紡が倒れた時にしっかり抱き込んで離さなかったヤツ。
あのアホ毛のヤツな。
てか、烏野陣殆どじゃね?
メチャクチャ敵が多いじゃん。
中でも1番厄介なのは、あの小さいヤツだろ。
何の前触れもなく紡に駆け寄ってハグとかしてた。
紡も驚きもせず、嫌がりもせず・・・むしろ紡から腕を伸ばしてたり。
まさか烏野じゃ、頻繁にある事なのか?!
やべぇ!
ムチャクチャ羨ま・・・違う!
烏野陣、腹立つ!!
ー ピリピリピリピリピリッ ー
おわっ、びっくりした・・・
及「ちょっとマナーモードにしてないの誰?!部活中は携帯持ち込み禁止って言って、」
溝「あ、悪い俺だ・・・」
及「溝口君?コーチなんだからしっかりしてよね~」
溝「はいはい。あれ?烏野の顧問からだ」
烏野の顧問?
紡の事か?!
溝「はい、溝口です・・・あ、先程はどうも・・・」
電話に出たコーチの会話に、その場にいた全員が息を飲んだ。
溝「えっ?!脳波の検査?!・・・あ、あぁ、それは安心しました。いえ、こちらで出来る限りの事をしただけですから。それで、足の方は?・・・なるほど。ではとりあえず入院・・・そうなんですか?はい、あ、いえいえ、お気づかいなく・・・わっかりました、はい、それでは・・・・・・」
入院?!
紡が入院するのか?!
及「溝口君、今の電話って・・・」
溝「あぁ、さっきの件の事だ。病院でレントゲンとかMRIとか脳波の検査とか色々とやったらしい」
及「そんなに?!・・・あ、それで紡ちゃんは?」
そこな!
俺もそこが1番知りたい。
溝「検査の結果、頭部外傷に関しては何もなく無事だったらしい。でっかいタンコブ位で済んだって言ってた。で、足の方は明日の朝、整形外科で診察をするのと、今夜は一応念のために入院扱いになるそうだ」
及「入院・・・病院で、1人で心細いだろうなぁ」
いや、確かにそうだけど・・・
心配する所、そこかよ?
溝「その心配は大丈夫だろ」
及「なんで?だってあんな大変だったのに今夜は入院でしょ?1人で心細いんじゃ?」