第24章 孤独と絶望感
あ、危ない危ない。
笑っちゃったなんてバレたら、後でどんな意地悪な事を言われることか・・・
・・・だいたい見当つくけど。
澤「よし、全体的に後ろに下がれ。月島は少し、サイドラインに寄れ」
月「はい・・・」
澤村先輩の指示で、みんなが元の立ち位置から動き出す。
澤村先輩・・・?
澤「よぅし・・・来い!」
全体的に守備を下げ、月島君を端に移動・・・?
・・・そうか!!
澤村先輩の動ける範囲を広くして、狙われてる月島君を狙いにくい場所に配置すれば、澤村先輩なら・・・もしかして!
及「ふ~ん・・・レシーブが得意なキャプテン君が、守備範囲を広げる、か。でもさ・・・1人で全部、守れないよ、っと・・・」
また月島君を?!
武「あんな端っこにいるのにピンポイントで?!」
山「ツッキー!!!」
菅「でもコントロール重視の分、威力はさっきより弱い!」
サーブは月島君の真正面!!
菅「上がった!!」
山「ツッキー!!ナイスー!!」
月島君のレシーブで確かにボールは上がった!
・・・でも!!
及「おっ、取ったね?えら~い。ちょっと取りやす過ぎたかな?・・・でも、こっちのチャンスボールなんだよねぇ」
ボールは高い弧を描いて、及川先輩の所へと落ちて行く。
及「ほら・・・おいしいおいしいチャンスボールだ。キッチリ決めなよ、お前ら・・・」
及川先輩は軽々とレシーブでボールを捕らえ、矢巾さんへと繋ぐ。
矢「オーライ!・・・金田一!!」
スパイクは金田一君?!
今の烏野のブロックは?!
澤村先輩、日向君、縁下先輩・・・マズイ!!
高さがない!!
思わず立ち上がりそうになり、グッと堪える。
金田一君の体の向こうで・・・素早く影が動くのが見えた。
あれは・・・日向君?!
ブロックで構えてたはずなのに、金田一君にもう追いついてる!!
金田一君がスパイクを打つ音に重なって、鈍い音が響く。
影「上がった!」
田「ナイス、ワンタッチ!」
日向君の指先に当たったボールの行方を追って影山が動き出す。
澤「チャンスボール!!」
金「クソッ!!今度はオレが叩き落としてやるよ!!」
澤村先輩がキレイなレシーブで影山に繋ぐ・・・と、同時に日向君が走り出した。
日向君が飛んで、影山が・・・トスフォームに入った!
・・・え・・・?