第24章 孤独と絶望感
ー ピーッ! ー
審判のホイッスルの音が鳴り響き、3セット目がスタートする。
攻めては守られ、攻められては守る。
時には長いラリーが続き、それでも負けずと攻める。
記録を付け、ペンを握る手に力が入る。
すぐ近くで及川先輩がアップや柔軟をしていて、時々、視線を感じる事もある。
でも。
絶対に振り向かないって決めた。
それだけみんなの頑張りから、目を離せないゲームが続いてるから。
一瞬でも目を離したら、私がここにいる意味がなくなってしまいそうで・・・
だから、瞬きさえ惜しい。
今は影山がブロックを上手く振り分け、チーム全体で攻めの体制から崩さない。
日向君や田中先輩を筆頭に、澤村先輩や月島君、それに縁下先輩だって影山のトスを受けて・・・攻める。
ただ闇雲に攻めるんじゃなく、綿密に計算されたトスで、攻めていく。
時にはカットされて、逆に攻められる事もあるけど・・・
そういう場面こそ、澤村先輩のレシーブが光る。
今だってそう。
青城がスパイクを打つ度に、歓声が上がる。
でも・・・落とさない!
澤「っ・・・影山!」
澤村先輩が動き、影山に繋げる。
影山もそれを受け、丁寧にトスを上げた。
田「オラオラオラァー!!」
ー ピッ! ー
『ナイス!田中先輩!!』
田「ハッハッハッハー!見たかお嬢!」
『ハーイ!集中して下さいね!!』
記録を付けながら田中先輩のアピールをうけながす。
1点差から離れられない今、集中力を途切れさせたら・・・終わる。
日向君と影山のクイックも決まる回数も増えてる。
田中先輩だって何度も決めてくれる。
始めは揉めながら飛んでいた影山と月島君のブロックだって、青城のスパイクを落とす勢いは衰えていない。
〖 烏野24ー20青城 〗
あと、1点。
・・・お願い、この勢いを止めないで!
金「調子に・・・乗んな!!」
金田一君が一際高く飛び、スパイクを打った。
月「・・・っ!!」
ー ピッ! ー
金「っしゃぁ!!」
岩「金田一ナイス!」
澤「ドンマイ月島!!」
・・・くぅぅっ!!
なかなか簡単には終わらせてくれないか・・・
でも次のサーブをカットして、攻めに持ち込めたら・・・勝負は、まだ、分からない・・・
青城のローテーションが代わり、サーブは・・・国見ちゃんか・・・