第24章 孤独と絶望感
~及川side~
足の方も病院でOK貰ったし。
これで練習にも参加させて貰える!
そんな事を考えながら、足取りも軽く体育館へ向かう。
途中、キラキラした甘い声で呼び止められたり、クッキーやカップケーキの差し入れ貰って食べたり。
・・・腹拵えも出来た。
ちょっと、ほんのちょっとだけ、時間かかっちゃったケド。
でもほら、せっかく及川さんの為に作りましたぁ~とかハートマークをキラキラ飛ばしながら言われたらさ、断れないじゃん?
オレって優しいからねぇ。
女の子には特に。
さぁってと?
飛雄がいる烏野との練習試合の運びは、どうなってるかな?
オレがいない代わりに矢巾が入ってる筈だし、岩ちゃんも、マッキーも、まっつんもいるんだから、もう終わっちゃってたら・・・つまんないよなぁ。
その可能性は・・・あるかも?
だって、申し訳ないけど・・・
烏野なんて、大会では名前は聞いた事あっても、オレ達がいる所まで・・・上がって来たの見たことないし?
こないだの大会だって、伊達工と当たって敗退。
ま、その伊達工を倒したのは、この及川さん率いる青葉城西なんだけどさ・・・っと。
シューズに履き替え、体育館の中に入る。
そこでまた、可愛い可愛い歓声をくれる女の子たちに軽く手を振り、どことなくムスッとした監督のいる場所へと歩く。
あ、そうだった。
監督はいつもそんな顔だった。
及「監督。及川徹、ただいま戻りました~」
とりあえずの声をかけると、よくぞ戻った!・・・とは言われず、お小言中心のお話。
そして飛雄の姿を見つけ、オレはにこやかにご挨拶を送ると、飛雄は凄ーい嫌な顔をオレに向けた。
そうそう、その顔・・・ゾクゾクするよ。
これから倒すつもりの相手が、挑んで来る顔を見せて来る度に、オレは楽しさと嬉しさでワクワクする。
〖 コート上の王様 〗
後輩達がお前につけた異名、どんな風にモノにしてるか、楽しみだよ。
「岩ちゃん、ただいま~。って、あれ?溝口君、誰か故障?」
岩「遅ぇぞグズ川!どこで油売ってんだアホが!」
「岩ちゃんヒド~イ。で、ケガしたのって、誰?」
溝「あぁ、これは・・・」
こんな楽しそうな練習試合で故障するとか、いったい誰だ?
からかい半分のつもりで、溝口君の脇から顔を覗かせる。
え・・・
なんで、ここにいる?