第24章 孤独と絶望感
~菅原side~
2セット目が終わり、青城側のコートにみんなが整列していた。
オレは紡ちゃんが抜けた代わりに、清水と一緒に休ませる用意をして、メンバーの戻りを待っているんだけど・・・?
なぜ戻って来ない?!
何してんだよ、少しでも早く体休めないと次も試合あるんだぞ?
そう思ってみんなの様子を覗くと、みんな紡ちゃんを囲ってわーわーと話している。
「おいおい・・・あっちは青城のベンチだろ」
思わず漏らした言葉に、清水が笑う。
清「みんな城戸さんが、大好きで大好きで仕方ないのね」
そう言いながらも準備する手を止めない清水を見て、オレも止めていた手を動かした。
山「あ、日向!城戸さんどうだった?元気だった?」
山口が日向を呼び、やっと戻って来たかとオレも振り返る。
日「城戸さん?えっと、フワフワしてて柔らかかった!」
山「はい?」
山口が聞いてる事と日向の答えが一致せず、山口が混乱している。
「山口は、紡ちゃんのケガの事を聞いてるんだよ」
オレが言うと日向は、あ!そっち?なんて言いながらキョトンとしていた。
日「詳しくは聞いてないけど、でもバケツに足は入れてた!だから、立ち上がらなくて良いように座ったままギューッてして来た!」
山「いや、ギューッて・・・意味わかんないよ日向・・・」
山口・・・言いたいことは分かるよ・・・
オレも日向が言ってる事がよく分かんない。
「とりあえずさ、大地が戻ったら聞いてみよう」
そう言うと山口も頷き、タオル出しを手伝ってくれる。
清「だけど、見て?うちの連中は戻ってくる気、あるのかしら」
清水が笑いながら言って、みんなで向こう側のベンチに視線を移す。
こっちに歩いて来る月島の横から、紡ちゃんに影山がギュッと抱き着き走って来る。
えっー!!
なんだよアレ!
あ!!
ちゃっかり縁下まで!!
田「ぬぁっ?!なんて事だ!今からオレも!!」
先に戻って来ていた田中が騒ぎ出し、今から行ってくると言い出してる首根っこを捕まえた。
「お前はいいから座ってろ!」
そんな事を言いながらも、向こうのベンチから目が離せない。
やがて大地が戻り、その後から縁下も走って来た。
「大地!縁下も!戻って来るの遅いよ!向こうで何してたんだよ」
戻り際に言うと、大地は笑い、縁下も微妙な顔をした。