第24章 孤独と絶望感
最初はどうなるかと心配だったけど、少し余裕が出来たってことなのかな。
烏野に点が入り、ローテーションが回る。
今の前衛が影山、月島君、縁下先輩の3人。
この試合で1番高さのあるブロックの並び。
縁下先輩もそうだけど、影山と月島君がブロックに並ぶと・・・圧迫感が凄い。
背が高いだけでもそうなのに、特に今は・・・表情だけで威圧感ハンパない・・・
月「キミはブロックも得意なんだっけ?でも、あんまでしゃばんないでね」
影「テメェこそ、吹っ飛ばされんじゃねぇぞ。ヒョロヒョロしやがって・・・」
縁「ケンカすんなよ、な?」
隣同士で小競り合いする2人に縁下先輩が声を掛けても耳には入らず、対抗心の炎をメラメラさせている。
田「敵はネットの向こうだっつーの!!ほら来るぞ!」
田中先輩の声に3人が一斉に構える。
青城のトスは岩泉に上がっている。
岩泉先輩が打ったボールはブロックに阻まれ、青城のコートに落ちた。
ー ピッ! ー
『やった!!ナイスブロック!!・・・あ、・・・なんか、すみません・・・』
自分が青城側にいることをウッカリ忘れ声を上げて、青城の監督にチラリと見られる。
溝「事情があってコッチにいるんだから、気にしなくていいよ。」
クスクスと笑いながら溝口コーチが言ってくれたけど、あんまり盛大に喜ぶのはまずいよなぁ。
・・・なんて思っていても。
日向君が顔面レシーブしては。
『ちゃんとボール見て!!』
と叫んだり。
レシーブ弾けたりすると。
『腕だけで拾わないって何度も教えたでしょ!!』
『腰落として!どこに返してんの!!セッター走らせたらダメだって何回言えば分かるの!!』
と叫んだり。
・・・で、声張りすぎてむせたしまって。
溝「なかなか手厳しいなぁ、城戸さんは」
笑いながら溝口コーチに言われ、ダメダメな所を言ってねって言われてるので、せっかくだからと笑って返す。
溝「そして、青城は若干ピンチだ。このセット押さえきれなかったら、フルに持ち込まれてしまう」
『私はそれを、狙ってるんですけど~』
苦い顔をする溝口コーチに、私はケラケラと笑いながら言うと、更に苦い顔をされた。
『こんな事を言うのはどうかなとも思うんですけど、ここ数年の烏野は鳴かず飛ばずで。飛べないカラスなんて呼ばれてたりして・・・』