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【 ハイキュー !!】~空のカタチ~

第24章 孤独と絶望感


ひと呼吸置いて、よし!と気合いを入れる。

周りから見れば、ただ単にケガした足をバケツに入れるだけなのにバカでしょ?って思われるかも知れないけど。

『国見ちゃん・・・そんなに見ないでよ恥ずかしいから・・・』

何となく両手で顔を隠し、足先を入れる。

『ん、んっ・・・・』

つ、冷たいっ!

少し冷たすぎじゃないかと、溝口コーチに顔を向けた。

溝「なんだ?奥までしっかり入れないとダメだろ」

『だって冷たくて。それにペタッとまとわりつくのが変な感じがして』

バケツそのものに足を入れるのではなく、バケツに被せられたビニール袋に足を入れるから、水圧でペタッと覆われるのがくすぐったい。

溝「最初は違和感あるかも知れないが、すぐに慣れるから。それに篭った熱を出し切らないと辛いだろ?」

それもそうだと思い、冷たくてペタリとするのを我慢して足を入れた。

確かに最初は違和感あるけど、でも、それもすぐに肌が慣れてヒンヤリと心地良くなった。

『あ、溝口コーチ。違和感取れると不思議な感じで、なんか気持ちいいかも・・・』

だろ?なんて笑いながら、溝口コーチはバインダーに何かを書き込んでいた。

国「おい紡。お前それ、ヤバイ。金田一を殺す気かよ」

『なんで?なにが?』

バケツから手を離した国見ちゃんが、真顔で私を覗き込んだ。

国「コーチと紡の会話、いちいちエロいんだよ。見てみろ金田一を、息してないぞ多分」

『は?言ってる意味が分からないんだけど。いちいちエロいってなに?』

国「お前・・・素で言ってんのか??ホントお子様だな。大人になったのは胸だけか?」

む・・・胸?!

部分的な事を指摘されて、思わず胸を隠した。

『国見ちゃんの方こそ、人の体ジロジロ見てやらしい!エッチ!変態!』

国「ばーか。男はみんな、やらしくて変態だっつーの!じゃなきゃ人類栄えないだろ・・・ですよね、コーチ?」

バサッと音を立てバインダーを落とし、溝口コーチが慌てて拾う。

溝「国見お前!変な所で俺に話振るな!ここはもういいからコート入れ。おい、金田一もだ!」

捲し立てるように言って、溝口コーチが2人を追い払った。

溝「頭ばっかりデカくなりやがって」

そう言いながら頭を掻く溝口コーチを見て、私は笑っていた。



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