第23章 それぞれの誤算
少しくらいの事なら、冷やす、固定する、とか、普段オレ達がやってる事をすればいいけど。
大地が言う通り、こんなに腫れてるんなら・・・
武「分かりました。それならば、僕が青城の監督さんと相談して来ます。強豪チームともなれば、こういう場面には経験がありそうですからね」
そう言って武田先生は青城のベンチへと向かって行った。
「紡ちゃん・・・どうしてこんなに腫れるまで黙ってたの?」
オレが聞いても、紡ちゃんは黙って影山に顔を埋めてしまう。
清「澤村、いま冷やせる物が冷却ジェルしかなくて・・・とりあえずはこれで・・・」
澤「あぁ、ありがとう・・・紡、ちょっと触るよ」
大地が紡ちゃんの足首に冷却ジェルを当て、上から押さえた。
まさかの事態に動揺するオレとは逆に、冷静に対応している大地が、オレなんかよりずっと大人に見える。
先生の方は、どうなったんだろう。
振り返り青城のベンチを見ると、先生が身振り手振りをしながら何かを説明しているのが見える。
オレは不安に駆られるまま、また、紡ちゃんの姿を見ていた。