第22章 終わりと始まり
~金田一side~
矢「おい見ろよ、金田一。あれヤバくねぇ?紡さんの格好」
「城戸の?」
矢巾さんに言われ、城戸の姿を探す。
なんでアイツ、あんな格好してんだ?
矢「誰のジャージ着てんだか分かんないけどさ、サイズ感ヤバイよな?濡れ髪っぽくて、裾から見える白くて細い足・・・堪んないよな、エロくて」
エ、エロくて・・・?!
そんな事を言われたら、城戸を直視出来なくなる。
「な、何言ってんすか、矢巾さんも相当っすね・・・」
でも、アイツさっきは烏野のジャージなんか着てなかった。
じゃあ、なんでだ?
そんな事を考えてると、目の前のコートに城戸を含めた3人が入る。
ボール拾いに3人?
矢「やっべえ!間近に来ると超ヤバイな!・・・だけどあの子ってアレだろ?岩泉さんの彼女、」
岩「今は違う」
いつの間にか横に並んでいた岩泉さんがポツリと言う。
「えっ、違うって・・・もしかして」
岩「あぁ、城戸とはもう、そんなんじゃねぇ」
城戸?
岩泉さん、城戸って言った?
前までは名前を呼び捨て・・・だったよな?
・・・まぁ、国見も呼び捨てしてたけど。
矢「マジっすか?!・・・じゃあ俺にもチャンス到来!」
嬉嬉としてガッツポーズをする矢巾さんに、岩泉さんは呆れた顔を見せながらも、城戸のいるコートに視線を向けた。
澤「俺はこっちで山口は真ん中で待機な」
『大地さん私は?』
澤「紡は・・・フリーでいいよ。上手く拾えたらトスあげていいから。山口、レシーブの後いつでも打てるようにしとけよ?」
山「あっ、はい!」
上手く・・・拾えたら?
城戸も拾うって事か?!?!
ムチャだろ、どう見たって男子と女子じゃ力の差があり過ぎる!
烏野の主将が合図を出し美人マネがタイマーをセットした。
1発目は・・・影山?
影山がジャンプサーブを打ち、それは城戸の方へと飛んでくる。
『おっと!残念でしたぁ!アウト!・・・ちょっと王様!!何今のサーブ、ヘッタクソー!』
影「はぁぁ?!誰がヘタクソだボゲェ!的が小さすぎんだよ!泣かすぞコラァ!」
・・・影山、城戸に容赦ねぇな。
向こうのコートは順番にサーブを打ち込んでくる。
澤「紡!」
烏野の主将が上手くボールを殺しながら城戸に繋ぐ。
『ほい来たぁ!山口君行くよー!』