• テキストサイズ

【 ハイキュー !!】~空のカタチ~

第22章 終わりと始まり


~岩泉side~

紡を探しに来た烏野の主将といくつかの言葉を交わし、じゃあ後はコートで、と言って別れた。

・・・俺は。

俺はあの時、なんであんな事を言おうとしたんだ?

別々の道を歩く事を決めたのは、俺なのに。

それに。

紡の前に烏野の主将が現れた時の、少し困惑しながらも、安心したような紡の顔・・・


ー ある人に、言われたんです。自分達と一緒に、全力で突っ走って行くのはダメかな?城戸さんの未来、少しだけ俺に預けてみない?・・・って ー


おそらく・・・紡に、あぁ言ったのはあの主将なんだろう。


澤「ほらまた。ちゃんと前を見て歩きなさいって昨日も言ったでしょ?」

『ちゃんと見てますって・・・背が小さいから視界が狭いんです・・・』


なっ・・・今のは・・・

それに昨日も、って・・・

*****************


ー ほらほら、危ないからちゃんと前見なさいよ? ー

ー 見てますって・・・背が低いから視界が狭いんですー! ー


*****************

じゃあやっぱり、あの時、俺とぶつかったのは・・・紡、お前だったのか・・・

昨日の出来事を思い出しながら、振り返り、自分の目に信じられない物が映る。

・・・!!

壁際で抱き寄せられ、主将の胸に顔を埋める・・・紡の姿。

頭から烏野のジャージを被せられてはいるが、あれは間違いなく・・・紡だ・・・

そう、か・・・

そういう事か・・・

紡・・・お前はもう、前に進み始めているんだな・・・

良かったな・・・と思うのに、何だこの胸の奥が抉られるような痛さは・・・

「はは・・・っ・・・痛てぇな・・・」

思わず、乾いた笑いが漏れだした。

矢「あ、いた!岩泉さん、松川さん戻りました」

「あぁ・・・わかった・・・」

もう1度、そっと振り返る。

紡・・・今度こそ、大事にして貰え・・・

俺が叶えてやれなかった幾つもの事、全部叶えて貰えよ?

矢「・・・岩泉さん?」

「あぁ、行こうか」

報告に来た矢巾にそう返し、行くぞ、と声をかけながら、俺は体育館の中へと戻った。







/ 1471ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp