第22章 終わりと始まり

澤「それに･･･こういう時こそ、１人で泣いたりしちゃ、ダメだ」

『でも･･･』

澤「好きなだけ泣いて、吐き出して、スッキリしちゃいなさい。それを受け止めてあげられるくらいの心の広さは、俺にもあると思うんだけどな？･･･あ、もし相手が俺じゃ嫌だったら、事情を知ってるスガでも影山とでもチェンジするけど･･･どうする？」

澤村先輩の言葉に、腕の中で首を振ることで返事の代わりにした。

澤「なら、よかった」

そう言って私を抱く手を強め、ホッと息を吐いた。

私は、せめて声が漏れないようにとタオルで口元を押さえ、ハッとする。

･･･ハジメ先輩と、同じ匂い･･･

それに気付くと、ずっと我慢してきたいろいろな思いが溢れ出して涙が止まらなくなる。

澤「ごめんね･･･こうなるかもって予測出来たはずなのに。守るって、約束したのに･･･ダメなやつだな、俺は」

澤村先輩が小さく呟く。

私はそんな事はないって伝える為に数回首を振り･･･そのまま枯れるまで、泣いた･･･