• テキストサイズ

【 ハイキュー !!】~空のカタチ~

第22章 終わりと始まり


岩「そうだ。俺はズルイんだ・・・だから俺は今でも、お前が、」

「紡?」

俺が会話に割り込むように声をかけると、紡は弾けるように俺を見て、少し困惑した顔を見せた。

『・・・大地さん・・・』

近づく足を早め、紡の隣に並ぶ。

「あの、うちの1年が何かご迷惑を?」

言いながら紡を背後に隠す。

岩「あ、いや。どっちかっつーと、うちの1年がちょっと・・・」

『大地さん、違うんです・・・私が困っていたのを助けてくれたんです。だから・・・』

上着をキュッと掴み、それ以外は何もなかったと言いたげに訴えてくる。

さっきの話、聞いていたなんて言えないしな・・・

「そっか。じゃあお礼を言わないと、だな?」

安心させるように、頭にポンッと手を乗せた。

「うちの1年がお世話になったようで、ありがとうございました」

俺が言いながら軽く頭を下げると、それに続いて紡も同じようにした。

岩「いや、悪いのはこっちの1年達だから頭を上げてくれ」

そう言われ、もとの姿勢に戻るとぎこちなく手を差し出された。

岩「練習試合始める前に変な思いさせて悪かったな。アンタも、その、城戸も」

俺は差し出された手を握り、そんな事はないから大丈夫だと言って手を離した。

「それじゃ、後はコートで」

岩「あぁ、よろしくな」

「紡、行こうか?清水が心配してたよ?」

『・・・はい』

俺は、その小さな背中をそっと押しながら歩き出した。

/ 1471ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp