第22章 終わりと始まり
~日向side~
デ、デカイ・・・体育館も、人も・・・
『日向君、大丈夫?』
「だだだ、大丈夫!」
『そう?』
城戸さんに聞かれ、頭を思い切り縦に振る。
「だ、だ、大丈夫!大丈夫なのを頑張るから!!」
言い切って、端っこに逃げる。
だって、こんなの・・・カッコ悪いじゃん!
昨日は眠れないし、バスでは吐くし、今はお腹痛いし!
さっき吐いたのを城戸さんに見られなかっただけ、ありがたい・・・と思う。
ケド・・・。
影山の隣で!
しかも影山に抱きしめられながら寝てた!
・・・いいなぁ。
同じ中学出身だと、あんなに心許せるくらい仲良くなれるのか?
いや待て?
だって影山だよ?!
あんないつもから怖~い顔して歩いてる影山だよ?!
なんで城戸さん、それでも平気でいつも一緒にいるんだ?
確か前に聞いた時は、別に付き合ってないとか・・・言ってたよな?
そう思いながら、城戸さんを見る。
今は清水先輩やキャプテンと何か話してる。
そういえば、朝練の時。
城戸さんとキャプテン、名前で呼びあってたりしてた。
その時は別に何とも思わなかったけど、いま思うと、何か、変な感じがする。
イライラ?とは違う。
モヤモヤ?
うん、何かそれが1番近い。
・・・・・・・・・何考えてんだオレ。
今は練習試合に集中しないと・・・
澤「守備も攻撃も、全員の能力が平均して高いのが青葉城西だ。よそへ行ったらどこでもエース張れるヤツが揃ってる・・・」
菅「ブロック強力で有名だしなぁ・・・」
ひぃぃぃぃぃ!
や、ヤバイ、お腹痛くなる・・・
田「どーしたんスか、2人とも。それを引っかき回すための、日向じゃないスか、なぁ!!」
や、ヤメテ下さい・・・
田「まぁ、お前がヘタクソなのは分かってっから、カバーは任せろ!!」
あっ・・・そうか・・・1人じゃ、ないんだ・・・
田中さんの力強い言葉に、キャプテンもスガさんも、おぉ!なんて声を上げた。
田「あ、でもサーブ打つ時だけは1人だからな!・・・ミスんなよ?」
ぐぁっ・・・!ミ、ミス・・・?!
・・・ヤバイ・・・お腹痛い・・・
『ちょっと日向君?!ホントに大丈夫?!』
「・・・・・・大丈夫・・・じゃないけど・・・大丈夫・・・」
お、オレ。
マジでカッコ悪い・・・