• テキストサイズ

【 ハイキュー !!】~空のカタチ~

第22章 終わりと始まり


月「僕みたいに背が高いのに、優しい?・・・それじゃ僕が優しくないみたいだろ」

『・・・・・・・・・』

いや、実際に月島君は優しい所もあるけど・・・意地悪なところの方が上回ってるし?

だけど、今それを告げたら更に機嫌が悪くなって、この後に響くのも嫌だなと黙り込んでしまった。

月「黙るのやめてくれる」

バッサリと言われ、私は曖昧に笑って返した。

月「じゃ、イワイズミさんて、誰」

『え・・・?』

予期せぬ質問に、思わず言葉が詰まる。

どうして、そんな事を聞くの?

そう言いたくても、上手く言葉が出てきてはくれない。

月「誰?」

もう1度聞かれ、どう答えればいいのか考えが追いつかず・・・

『誰・・・だっけ、かな・・・?』

そう返してはぐらかすように横を向いて、視線が合わないように俯いた。

月「ふぅん?・・・じゃあ、ラブラブオーラって?」

?!

月島君の言葉に、体かビクリと震える。

それが伝わったのか否か、リュックを掴む月島君の手に力が入るのが分かった。

『さぁ・・・なんだろう、ね。金太郎、人違いでも、してるのかな・・・』

月島君と視線を合わせず、顔さえ見ないまま、答えた。

月「・・・そ」

私の答え方が気に入らなかったのか、月島君はそう言うと、また前に進み出した。

・・・どう聞かれても、模範解答なんて、分からないよ・・・

私は月島君に引っ張られるように、みんなの所まで歩いて行った。

澤「これで全員揃ったか?・・・揃ったな?」

遅れて来た私達3人を見て、澤村先輩が人数を確認していた。

『大地さん!遅れてすみませんでした』

澤「いいよ、さっき縁下から聞いたけど、田中の忘れ物も持って来てくれたみたいだしね」

『え、でも月島君から、大地さんが早く来いって言ってる・・・って』

私が大地さんと話していると、月島君はいつの間にかリュックから手を離し、側から離れていた。

澤「俺?いや、別にそんな事は?」

・・・月島君?

『あれ?そうなんですか?・・・確かにそう言ってたと思うんですけど・・・あ、でも遅れた事は確かなので、ごめんなさい』

その場を取り繕い、私も荷物を持った。

さっき確かに、月島君はそう言っていたんだけどな・・・

そう思って月島君を見ると、目が合った途端に逸らされてしまった。

どうしたんだろう、月島君。


/ 1471ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp