第22章 終わりと始まり
影“ おい、起きろ・・・着いたぞ ”
ん・・・誰?
影“ 起きろって、城戸! ”
菅“ 影山、紡ちゃんまだ起きない? ”
縁“ え?城戸さん寝ちゃってるの? あ、ホントだ、可愛い顔して寝てる~ ”
月“ こんな時でも寝れるとか、理解不能 ”
うるさいなぁ・・・誰?
影“ 城戸!いい加減に起きろ! ”
ゆさゆさと揺すられ、仕方なくうっすらと目を開ける。
眩しい光の中で、影山が目の前にいるのが分かる。
『あれ~?何で影山?・・・でもいいや・・・暖かいから・・・・・・ 』
傍らの暖かさに引き寄せられ、腕を伸ばしキュッとしがみつく。
その暖かさに微睡み、掴んだ体に顔をすり寄せた。
影「な、何してんだヤメロ!!目ぇ覚ませボゲェ!!」
一瞬にして体を引き剥がされ、その勢いで徐々に意識がハッキリとしてくる。
『・・・影山・・・?何してんの?』
ふぁ・・・と小さく欠伸をして、まだ眠い目を擦りながら、目の前の影山の姿を確認する。
・・・ん?
目の前の・・・影山?
『か、か、かかか影山?!』
距離の近さに驚き、体を離す。
影「お前・・・寝ぼけんのもいい加減にしろ・・・」
そう言いながら影山は、私の後ろを指さした。
後ろ?
黙って指をさす影山を見て、ゆっくりと振り返ってみた。
『縁下・・・先輩?・・・に、皆さん・・・お揃いで?』
縁「あはは、城戸さん、よく眠れた?」
クスクスと笑う縁下先輩を見て、段々と自分の置かれている状況が把握出来てきた。
『あっ、ち、違います!ただ目を瞑ってただけで!だからその!なんて言うか・・・』
影「お前の言い訳は小学生レベルか!!めちゃくちゃ熟睡してただろうが!」
影山はガシッと私の頭を掴み、ユラユラとさせる。
『あたたた!影山やめて、頭が取れる~!』
縁「また影山は・・・女の子にそういうのダメだって!はい、手を離す!」
縁下先輩に言われ、渋々と影山が手を離した。
『影山のホネホネのデッカイ手で掴まれたら、その内ホントに取れるから』
両手で頭を押さえて訴える。
影「誰がホネホネだ!お前さっき、暖かいとか言って・・・・・・いや、何でもない・・・」
『だって、暖かかったんだもん・・・』
影「言うな!!」
影山が叫ぶと同時に周りからどっと笑いが起こる。