第22章 終わりと始まり
『大丈夫ですよ?全校的にお昼休みだし。それより大地さん、電話とかどうしたんですか?』
澤« そうそう、いま部室にいるんだけどさ »
『え?大地さん部室にいるんですか?』
運動部員の貴重な昼休みに、部室で何してるんだろう?
全員がそうだとは言わないけど、朝練から体動かしてる男子部員は、たいがい影山みたいに寝てたりすると思ってた。
澤« そう、いま部室。で、放課後持って行く物を運び安くまとめてたらさ、昨日はなかったペットボトルが1本あるんだけど・・・何か分かる?清水に聞こうと思ったけど、委員会の打ち合わせがあるらしくて電話出来なかったからさ »
『そうなんですか。あ、そのペットボトルは私が今朝置いたんです。大地さん、掃除する為にバケツに水を汲みに行ってくれた時だったんで言いそびれちゃいました。ごめんなさい』
澤« 謝らなくていいって。じゃあコレも一緒に運べるようにしとくから »
『ありがとうございます。それから大地さん?雑用があるなら呼んでくれたらお手伝いしたのに』
荷物まとめとか、それ位の仕事は部長がわざわざやらなくてもと続けると、澤村先輩はちょっとした事くらいだから大丈夫だと笑った。
澤« 紡には今朝、盛大なる大掃除を手伝って貰ったからね。お陰で部室はピカピカだ!じゃ後は鍵閉めて出るだけだから、心配しなくていいよ? »
『分かりました。大地さんも残りの時間は放課後に備えて休んで下さいね?』
それじゃ、とお互いに交わし通話を終えた。
『話の途中だったのにゴメンネ?』
山「あ、うん大丈夫だよ」
放課後、なるべく早く部室に向かって運び出しの準備をしよう。
少しでも早く向こうに着けば、ほんの数分でも練習させて貰えるかも知れない。
何せ、今の烏野からしたら青城は格上の存在。
そのホームに行くんだから、空気に飲まれたりしたら吸収出来るものも限られてしまう。
そう考えながら、残りをお弁当を食べた。