第22章 終わりと始まり
~菅原side~
なぁんか、腑に落ちないんだよなぁ・・・
昨日の帰りに大地と紡ちゃんがいたのを見て声をかけたら追い返されるし。
紡ちゃん送るだけならオレも一緒にって思ったけど、それを言い出す前に大地に帰れーって言われちゃうし。
それに朝練の時だって・・・
澤「午後の事があるから今日は軽めにしとこう!それぞれ順番にサーブとスパイク!スパイクの時は影山もスガも入る事!」
「大地、俺達が入ったらトスどうすんだよ?」
澤「その辺は大丈夫だよ・・・えっ~と、あ、紡!ちょっといい?」
・・・紡?!
え?!
清水と仕事してた紡ちゃんは、大地に呼ばれた事で清水に承諾を得てこっちに来る。
『なんでしょう?』
澤「後でスパイク練習の時、スガと影山も打たせたいから、紡がトス上げてくれる?」
『分かりました。気をつけて見てますけど、念の為に大地さんがまた声かけてくださいね?』
澤「分かった。じゃその時は頼むね」
・・・大地さん?!
ど、どういう事?!
何で急に?!
昨日までは確か、いや確実に帰りまでは澤村先輩と城戸さんだったよね??
紡ちゃんはそう言って清水の所に戻ってしまうし。
それに、紡ちゃんが付けてる髪留め。
あれにはもの凄く見覚えがある。
大地に付き合って入った雑貨屋で、最後の最後まで迷って、大地が買っていたのと同じ・・・だよね?
「えっと・・・大地?紡ちゃんの付けてる髪留めって、こないだのだよね?紡ちゃんへのプレゼントだったんだ?」
澤「プレゼントって程じゃないけど、俺が渡したのは確かだよ」
サラッと言ったな、サラッと。
こないだは絶対教えてくれなかったのに。
「じゃあさ、大地と紡ちゃん、何で急に名前で呼び合うようになったの?昨日帰るまでは普通だったじゃん?」
澤「えっ?そ、それは、だな・・・まぁ、お互いその方がいいからって事でそうなった」
そうなった・・・って、どうなったんだよ!!
田「大地さん!サーブ練習終わりました!!」
澤「あ、じゃあそのままスパイク練習に移って。トスは紡が上げてくれるから・・・紡ー!頼む!」
『はい!大地さん今行きます!』
田「・・・紡?・・・大地さん?・・・ん?なんだ?」
ほら、田中だって気付いてるじゃん。
なんか・・・モヤモヤする。
澤「スガ!サボるなー」