第22章 終わりと始まり
「あ?ドラッグストアがどうかしたのか?」
及「うん、それなんだけど・・・」
また言いかけてやめやがって!
何が言いたいんだよ!
「蹴り、欲しいか?」
及「違う!それは違う!あの、だからそこのお店でね・・・」
そう言いながら袋を手を入れガサガサと何かを取り出す。
及「ジャーン!!オレと岩ちゃんの好きなお菓子が安売りしてたから買っちゃった!しかもお1人様3個までだったから、3個!」
「・・・深刻な顔して言う事じゃねぇだろがっ!!」
及「痛いってば岩ちゃん!蹴るのも殴るのもやめて!せっかく1個あげようと思ってたのに!」
そう喚きながら袋に入れようとする及川の手から奪い取るようにかっさらい、目の前で封を開ける。
「これは貰っとく」
及「あーっ!それはオレの好きな味なのに!」
「知るか!そんなこと」
ギャーギャーうるさい及川を野放しにしながら、封を開けた菓子を口に放り込む。
及「あぁ!また食べた!」
「うるせぇな!ほらよ」
歩きながら及川の口にも菓子を放り込む。
及「岩ちゃんからア~ンされるとか、オレ惚れ直すわー」
「・・・キモイからやめろ」
及「岩ちゃ~ん、もう1個!」
言われるままに放り込み、俺も食う。
「おい、それよりも飯行くぞ。何食うんだ?」
及「う~ん、どうしよ?岩ちゃんは?」
「俺が先に聞いてんだろが!」
及「じゃあ、パスタ?」
「却下」
及「なんでよー?じゃ、ラーメン?」
「却下」
及「・・・・・・・・・」
「ネタ切れかよ!お前の頭ん中は麺類だけか!」
及「じゃあ何食べればいいんだよー?」
「白米食えよ白米!」
及「オシャレじゃなーい!」
「うっせー!オシャレな飯食いてぇなら俺じゃなくて取り巻き誘え!さっさと行くぞ!」
及「はぁい・・・」
いつもと変わんねぇ、そんな軽口を交わしながら、俺達は駅ビルの中へと歩いて行った。