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【 ハイキュー !!】~空のカタチ~

第22章 終わりと始まり


『あ、すみませんっ』

「いや、こっちこそ」

特に相手も見ずに、すれ違いながら言葉を交わす。

ー ほらほら、危ないからちゃんと前見なさいよ? ー

『見てますって・・・背が低いから視界が狭いんですー!』

・・・・・・いまの?!

「紡!!」

思わず名を呼んで振り返るも、既に人混みに紛れてどこにいるかは分からない・・・

・・・気のせいか?

でも、確かにいま・・・あの時と同じ、だった。


****************

『わっ・・・すみません!』

「お前しっかり前見て歩けよ」

『ちゃんと見てますって!でも、背が低すぎて視界が狭いんですー!』

「あーはいはい。じゃホラよ、繋いどけ」


****************

会話を思い出し、自分の手を見る。

紡・・・だったのか?

いや、でも・・・まさか、な。

なんか今日の俺、思い出してばっかじゃねぇか?

懐かしむとか、年寄りかよ。

ハァ・・・

ちょっと残念なため息を吐いて、気持ちを整えた。

及「あれ?岩ちゃん?こんな所で何してんの?」

顔を上げると、目の前に俺が探し歩いていた本人が突っ立っている。

コイツ・・・

「何してんの?じゃねぇ!むしろテメェがこんな所で何してんだよ!!」

及「なんで岩ちゃん怒ってんのさ」

「怒るだろ!フツー!人を呼び出しといてブラついてんじゃねぇーよ!電話しても出ねぇし!」

俺が言うと、電話?なんて言って確認して、病院だったからサイレントにしてて忘れてた!なんて言いやがる。

ったく、どうしようもねぇ。

「で?とりあえず言い訳は聞いてやる、ここで何してたんだ?」

及「そうそう!岩ちゃん待ってるの退屈だったからプラプラしてて、チラシで粉末ドリンク安いの見つけて買い物してたんだよねー」

「チラシ見て買い物とか、主婦かテメェは!!」

のんびりと答える及川に、蹴りを入れる。

及「痛ったー!岩ちゃん蹴り入れんのやめてよ!・・・あ、そうだ岩ちゃん!実はさっき・・・」

蹴りを入れた場所を手で押さえながら、及川が何か言いかけた。

なんだ?

何でコイツは妙に深刻な顔してんだ?

確かコイツは病院の帰りだったよな。

まさか悪化してるとか?!

「おい!言いかけてやめんじゃねぇ!」

及「え?あ・・・あぁ・・・えっとー。実はさっき、そこのお店でね・・・」
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