第22章 終わりと始まり
「ま、今日のところはいっか。紡ちゃん、今度ゆっくりデート、」
『しません』
はやっ!!
即答かよ!!
「間髪入れずに即答しないでよ。いくらオレでも・・・悲しいよ?」
『デートはしません』
「手厳しいなぁ・・・じゃ、お茶くらいならどう?」
『それは結局デートですよね?』
「ちっ、バレたか・・・」
わざとらしく顎に手を付け、ウ~ンと唸って見せた。
「紡ちゃん、なんかいろいろと変わったよね?見た目もそうだけど、一瞬オレ分かんなかったし。それに前までは、ちょっとお茶くらいなら・・・って付き合ってくれたのにさ」
『それは及川先輩が拗ねるから・・・あ』
ん・・・?
オレが、拗ねるから?
ほほぅ・・・
「ふ~ん・・・じゃあ拗ねたらデートしてくれる?」
『しません』
また即答?!
「そこまで頑なに拒むとか今までなかったのに、紡ちゃんもしかして新しい恋・・・始めちゃた?とか?」
「『えっ?!』」
ほんのちょっとの興味本位で聞いてみた事に、2人が同時に驚きの声をあげる。
紡ちゃんが驚くのは分かるケド、さ。
なんでコッチの人まで?
「なんで君まで驚くのさ」
澤「あ、いや、つい・・・」
じろりと視線を送り、そう言うと、彼は頭に手をやりながらそう答える。
んんん?
あんまり知りたくはないけど、いや、絶対そうであって欲しくはないけど。
一応・・・確認しておこう、かな?
「紡ちゃん、もしかして新しい彼・・・とか?」
オレがが彼の方をを見て紡ちゃんに問い詰める様に聞いた。
『ち、違います!澤村先輩はそういうんじゃありません!ただの先輩です!』
あ、そうなのか。
それはそれで安心安心。
「そんなハッキリ否定されるのも・・・」
『え?あ、すみません・・・』
紡ちゃんがハッキリと否定した事で、少し寂しげな顔を見せてはいるが、この彼もきっと、少なからず好意は寄せているのでは?なんて考えたくもない事を読み取らせる。
彼じゃないとすると・・・
いや、まさかね。
出来ればここいる彼よりも、もっと認めたくない人間が烏野にはいる。
「ま・・・」
『ま?』
「まさかと思うけど、飛雄とかじゃないよね?!違うよね?!」
『違います!影山でもありません!つて言うより、ハッキリ言いますけど彼氏なんていません!』
・・・よかった。