第22章 終わりと始まり
みんなが口々に掃除は・・・なんて言って静かになると、澤村先輩は、よし、と呟いて頷いた。
澤「じゃ、今度こそ本当に行こうか?」
『ですね!』
私達はそう言って、チクチクとする視線を感じながら歩き始めた。
歓談をしながら歩いていると駅前通りまではあっという間に着いてしまう。
私は清水先輩がくれた買い物リストの詳細を考えて、どこから買い物を始めたらいいかを決めていた。
『澤村先輩、重たいものをずっと持ち歩くのは大変なので、比較的軽いものから買い物しましょう?』
澤「それもそうだね。でも、荷物は俺が持つから気にしなくていいよ。なんせ清水のご指名だからね。とりあえず、何から買う?」
澤村先輩に言われ、買い物リストを開いて見せる。
『お菓子以外はドラッグストアで買う方が安いし、まとめて買えるから、ここはやっぱり明日持っていくご挨拶用のお菓子から・・・がいいと思います』
澤「そっか、じゃあ向こうの通りに渡ってスーパーに行ってみようか?あそこなら種類もあるしね」
私は澤村先輩の提案を受け、そうしましょうと返した。
店舗に入ると夕方の時間帯で、お客さんが溢れかえっていた。
澤「この時間に来たことないから知らなかったけど、凄い混んでるね。みんな夕飯の買い物とかで混んでるのかな?」
『それもあると思いますけど、ここのお店は夕方のタイムセールをやってるから、それ目当てが大半かも?私もよく狙って買い物に来てましたし』
澤「城戸さんが?なんかビックリだな」
『そうですか?夕飯当番の時は、大抵ここに買い物に来てますよ?後は、この先の通りを曲がったところのお店とか』
私がそう言うと、夕飯当番まであるのか・・・と感心される。
『うちは両親は海外に行ってていないし、桜太にぃも慧太にぃも、それぞれ違う職種で勤務時間も違うし、当番制なんです。だいたい私の時が多いけど、最近は桜太にぃが1番かなぁ。私より全然手際いいし、何より美味しいし!』
澤「この前お邪魔した時、桜太さんの作ったの食べたけど、確かに美味しかった!でも、今度機会があったら、城戸さんが作ったのも食べてみたいなぁ」
『えっ?!私の?!』
話の流れでそう言ったのかも知れないけど、思わぬ言葉に驚く。
澤「え?あ、いや、別に深い意味はないんだけど、あれ、何言ってんだ俺・・・」