第22章 終わりと始まり
えっ?!
『まさか清水先輩、澤村先輩を荷物持ちにとか考えてます?!』
清「そのまさか」
言いながら清水先輩はウフッと笑った。
『澤村先輩ですよ?!それだったら私が1人でも大丈夫です!意外と体力ありますからっ』
慌ててそう言っても、既に遅く、澤村先輩は呼んだ?などと言いながら私達のいる所へ到着してしまった。
清「澤村、この買い物リスト見て」
澤「ん?・・・わぁ、結構な買い物だな」
清「城戸さんが1人で平気だって言うから、澤村荷物持ちにするって言ったんだけど・・・」
澤「言ったんたけど・・・?」
澤村先輩がオウム返しをすると、清水先輩はチラリと私を見た。
・・・あれ・・・
もしかして雲行きが怪しい?
清「城戸さんが・・・澤村と行くなら1人でいい・・・って」
澤「え?!なんで?!もしかして俺と行くの嫌?!」
清水先輩の微妙な言葉に澤村先輩が驚き、私に詰め寄ってくる。
『ち、違いますよ!!嫌とかじゃないです!清水先輩も微妙にニュアンス変えないで下さい!!』
手をバタバタしながら弁明すると、清水先輩がイタズラっ子のように笑い出した。
清「澤村、ごめん、ウソ。私が行くって言ったら帰り道が遠くなるっていうし、じゃ澤村を荷物持ちにって提案したら遠慮するから、ちょっとビックリさせてみた」
澤「清水・・・本当いい性格してるよ・・・俺まで驚いただろ」
私と澤村先輩はお互いにホッとしてむねをなでおろした。
澤「でも、買い物の量的には多いし、俺が一緒に行くよ。で、部室に運ぶ。清水は今日はいいから、明日の朝練の時に俺達が買い物してきた物を仕分けて準備する。そうしよう」
清「わかった、買い物は2人にお願いする。でも部室に戻ると城戸さんの帰りが遅くならない?」
澤「帰りは俺が送っていくから大丈夫」
清「城戸さん、澤村に襲われそうなったら迷いなく叫びなさい」
『あ、はい。お腹の底から叫びます!』
澤「だから、そうじゃないでしょ!ちょっと清水!!」
慌てふためく澤村先輩を脇に、私と清水先輩は帰り支度をする為に女子更衣室に向かった。
清水先輩と支度を終えて、部室の鍵閉めをした澤村先輩と合流する。
随分と早く部活を終えたせいか、部員のみんなもはなしをしたりしながら残っていた。
『すみません澤村先輩、お待たせしました!』