第22章 終わりと始まり
休憩のあと、練習は明日の練習試合の為の調整に入り、各ポジションの確認をしてからミーティングに移った。
武田先生と澤村先輩を中心として、みんなは輪になるように体育館の床に座り、清水先輩と私は澤村先輩から少し離れた所に腰を下ろして話を聞きながらメモ取りをしている。
武「それでは明日、放課後の短い時間なので速やかに支度をして正門前に集合して下さい。僕が学校のバスを運転して行きますので、それで向かいます」
「「ッス!」」
澤「みんな忘れ物とかしないように。それから、ドリンクの用意は清水と城戸さんよろしく。向こうで水道借りれるように頼むから、いつものように粉末タイプので準備して?」
清「わかった」
『分かりました。すぐに在庫の確認しておきます』
清水先輩が返事をし、私も続いて頷く。
粉末タイプって言われたけど、月島君の分だけは家から作って持って来る方がいいよね。
帰ったらすぐ用意しとかなきゃ。
澤「各自担当している持ち物をまとめて部室の入口に置いてくれ。今日はこれで解散!自主練も禁止な」
最後の方の言葉に一部から多少のブーイングは
出たけど、澤村先輩の目が笑っていない笑顔に逆らえるはずもなく、みんな手荷物をまとめ始めた。
私と清水先輩はドリンクの粉末の在庫を確認して、足りない分は帰りに私が買って帰るという話で纏まり、2人でさっきまで使っていたスクイズを洗い始めた。
清「あ、いけない。ふきん持ってくるの忘れちゃった」
『じゃあ私取ってきます』
そう言って水道場から離れようとしたら、体育館の中から呼び止められた。
菅「あ、紡ちゃん?さっきから何度も電話鳴ってるけど大丈夫?」
『電話・・・ですか?』
菅「うん、切れてはまた鳴りの繰り返しみたいだけど、急な用事とかだったらって思って」
急な用事?
そう言われても特に思い当たる事は無いし、桜太にぃや慧太にぃはこの時間は私がここにいる事は分かってるから、私に電話が繋がらなかっらメッセージやLINEに残す事くらいするだろうし。
最悪本当に急ぎなら、学校に直接電話を入れる事も可能なんだけど。
と、したら誰だろう?
『分かりました。後で確認してみます』
そう答えて、その場を離れようとすると着信音が聞こえて来る。
菅「とりあえず、先に出てみたらどうかな?凄い緊急だったら困るべ?」