第22章 終わりと始まり
山口は城戸の恐るべし行動力のせいで、顔やら耳やら真っ赤にして口を動かしている。
山「い、イチゴ味、美味しいね・・・」
やっとの思いで山口が言うと、城戸は満足そうに笑った。
『で?影山はどうする?』
「あ?何がだよ」
『私にちゃんとごめんなさいしたら、チョコあげるんだけどなぁ?』
城戸は言いながら、チョコの小袋を開けて中身を指先でつまんで見せる。
俺はすかさず城戸の手を掴み、ちょっと屈んで
パクリと食べた。
『ぎゃっ!!た、食べた!』
不意打ちを食らった城戸は、色気なく叫び口をパクパクさせている。
「どうだ参ったか?」
ニヤリとしながら城戸に言うと、見る見るうちに赤くなりパッと手を解く。
『影山のバカ!ハゲ!・・・もう知らない!』
「誰がハゲだ!」
『そんなの影山に決まってるじゃん!』
「バカヤロー、俺はまだフッサフサだ!」
いつもの小競り合いをしていると、山口が横からまぁまぁ2人とも・・・と割って入って来た。
山「あ、あのさ?2人は・・・付き合ってたり?」
突拍子もない言葉を山口が投げかける。
「誰と?!」
『誰が?!』
山「か・・・影山と、城戸さん?」
はぁ?!
急に何言い出すんだコイツは!
山口がそう言うのを聞いて、俺と城戸は思わず顔を見合わせた。
『「ナイナイ!絶対ナイ!!」』
山「だって、初めて校庭の端で見た時もそうだったけど、いつも一緒にいるし。・・・そんな風に仲良いから」
『だって影山だよ?ナイナイ!』
「そーだ!俺にだって選ぶ権利はある!」
『失礼ねぇ!私にだって選ぶ権利はあります!』
「はぁ~?どうだか?」
山「ちょっ、2人とも・・・」
売り言葉に買い言葉で、どうにも収拾付かない俺達を見て、山口はオロオロしていた。
縁「2人とも落ち着いて!影山もすぐケンカ売るのやめろって」
見兼ねた縁下さんが間に入って俺達を止めた。
「いや、城戸が!」
『違います!影山が先に!』
そう言い返しながら城戸は縁下さんの後ろに隠れた。
「お前スグそうやって誰かの後ろに隠れる!!」
縁「だぁぁぁ!もうやめろって!影山が城戸さんの事が大好きで構いたいのは分かったから、今はやめろ。はい、この話はもうお終い!」
「違っ!」
縁「お終いって、言ったよね?」
「ぐっ・・・はい、スミマセンデシタ」