第22章 終わりと始まり
清「そんなに効果が出るのなら、私も真似しなきゃね」
清水先輩も同じようにポーズを取り笑い合った。
澤「肌ツヤがなんだって?」
よいしょ、なんて言って手荷物を置きながら澤村先輩が私達の側に来た。
清「澤村遅い。遅刻」
澤「違うって!今日は部長会があったんだよ」
清「知ってる。言ってみただけ」
澤「頼むよ清水・・・」
2人のやり取りを聞きながら月島君のスクイズにドリンクを流し込む。
・・・勝手な事して、また怒らないかな?
少しの不安を抱えながら、蓋を閉める。
『あ、そうだ!清水先輩、たくさんあるから味見してみます?』
私が聞くと、清水先輩は、じゃあと言って紙コップを用意してくれた。
私はそれを2つ受け取り、自家製のレモン水を注ぎ入れて2人に渡す。
清「あ、美味しい・・・」
澤「ちょっと甘め?でも、レモンが効いててサッパリな感じだな・・・これは?」
清「城戸さん特製の秘密兵器。若干1名限定だけど」
清水先輩の言葉を聞いて、澤村先輩は昨日の出来事を思い出したのか、なるほどねと呟いた。
澤「で、これが肌ツヤと何の関係が?」
紙コップの中身をまじまじと覗き、澤村先輩は不思議そうな顔をした。
『あぁ、それは昨日帰ってから桜太にぃと試行錯誤しながら何回も味見してレモンとハチミツの美容効果をお腹いっぱいになるまで飲んだから、だから今日の私はツヤツヤかも?って清水先輩と話してたんですよ』
ね?と清水先輩にも振って、清水先輩もニコリと微笑む。
澤「へぇ、美容効果ねぇ。どれどれ?」
そう言いながら澤村先輩は、何のためらいもなく私の頬を撫でた。
澤「・・・ホントだ」
ニコニコしながら、何度も撫でられる感触に思わず照れてしまう。
『澤村先輩・・・触りすぎですよ・・・』
そう言って半歩後ろに下がる。
澤「えっ?あ、ゴメンゴメン」
清「澤村も菅原と同じセクハラ大王・・・」
ポツリと言った清水先輩に私は笑ってしまう。
澤「おいおい、俺はスガみたいにあんなオープンじゃないだろ?」
清「・・・ムッツリ大王」
澤「清水?!・・・ちょっ、城戸さんも!違うよ!違うからね!!」
何度も念押しする澤村先輩を見て、私も清水先輩もお腹を抱えながら笑っていた。
菅「大地!遊んでないで練習入れよー!」
澤「遊んでないって!」