第21章 背中合わせの2人
言われてみれば、確かに城戸は仔犬っぽい。
何か言えばキャンキャン言って、時には噛み付く勢いで、吠える。
月島がいうのも、当たらずとも・・・なのか?
違う違う。
今はそんな事を考えている場合じゃない。
澤「お前たち、いい加減にしなさい!!!」
っと・・・今のは俺もビビった。
『・・・・・・・・・はい・・・』
澤村先輩の怒号に、城戸はビクビクしながら小声で返事をした。
澤「とにかく、2人ともなかに入りなさい・・・まったく・・・話は中に入ってからだ」
『はい・・・ゴメンなさい・・・』
更に小さくなって城戸は俯いている。
月「・・・行くよ。早くしないとまた怒られるから」
『ちょっと?』
なっ?!
何してやがる月島っ!!
月「ワンコはちゃんと捕まえとかないと、逃げるかも知れないから」
その手を・・・離せよ。
日「なんかよぅ、月島が城戸さんのことワンコとか言ってってけど、どっちかっつうと違うよな?」
「あ?なんの事だ」
日「月島はスゲー背が高いしよ、城戸さんは逆に小さいだろ?だから、見てみ?お父さんと子供みたいじゃね?」
「知るか!!」
日向のアホくさい言い分に、周りが笑い出す。
でも俺は、赤い顔で手を引かれて歩くアイツを見て、笑う気には・・・なれなかった・・・