• テキストサイズ

【 ハイキュー !!】~空のカタチ~

第21章 背中合わせの2人


「待って下さい。どうしてそんなにお人好しでいられるんですか。ひねくれ者の僕なんて、放っておけばいいのに」

僕は、何を言っているんだろう・・・

思わず発した言葉に、自分で戸惑ってしまう。

澤「放って置くことなんか出来ないから、かな?」

ゆっくりと振り返りながら澤村さんが言う。

澤「ここに入部してくれた以上、みんな仲間だと思ってる。例えどんなひねくれ者だとしても。月島のそのひねくれた所は、俺は個性だと思ってるし。ま、度が過ぎるのはダメだけどな?それに、自分で考えてご覧なさいよ。素直でニコニコしている月島を。どう?違和感あるでしょ?」

「・・・・・・・・・・・・確かに」

澤「ほらね?誰にだって個性はある。月島が言うところの俺のお人好しって言われる部分も、それに入るんじゃないかな?」

悪びれて言った僕の言葉も、すんなりそう返されると何も言えなくなった。

澤「それじゃ、俺は先に行ってるから、落ち着いたら戻って来なさいな」

後ろ向きで軽く手を振りながら、澤村さんは歩いて行ってしまった。

その姿を見送りながら、大きく息を吐いた。

コミュニケーションが苦手・・・

正面からそんな事を言われたのは初めてだ。

〖 どうして私を真っ直ぐ見て言わないの? 〗


さっきの言葉を思い出す。

またひとつ大きく息を吐くと、その目前の先に城戸さんが歩いて行くのが見えた。

どこへ行くんだ?

小さな後ろ姿を、しばらく目で追っていると、校舎の角を曲がり見えなくなった。

戻ろう。

そう思って体育館へと足を向けると、扉を開けて武田先生が出て来る。

なぜか咄嗟に体を隠す。

・・・いや待て、なんで僕は隠れてるんだ?

そう思いながらも、1度隠れてしまうとすぐには出られない。

とりあえず、武田先生がいなくなるまでやり過ごそう。

そんな風に考えながら、その姿を見ていたけど、あっちは職員室に行く方向ではない。

よく見れば、手には城戸さんのマグボトルを持って歩いている。

城戸さんを追いかけているのだろうか?

気がつけば僕の足は、無意識にその後に続いていた。

/ 1471ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp