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【 ハイキュー !!】~空のカタチ~

第21章 背中合わせの2人


~月島side~

なんか・・・イライラする。

ついさっきまでは、そんな事なかった。

****************

城戸さんの両腕を見て何も出来ない初心者と言い放ち、そんな僕に影山が突っかかる。

威勢よく口撃してくると思ってたら、ダンマリ決め込むし。

・・・ツマラナイ。

そう思って、うるさい影山をスルーしてその場を離れようとしたら。

菅「危ない!!」

そう声を上げる菅原さんに驚き振り返ると、無造作に置いたタオルに足を滑らせてステージから落ちかかっている城戸さんの姿が目に入る。

危ない!!!!

咄嗟に片腕を伸ばし、間一髪・・・というところで城戸さんを抱きとめた。

・・・上手く受け止められてよかった。

僕自身がホッとしたのは言うまでもなく、だけど、腕の中にいる城戸さんは微動だにしない。

チラリと横目に見ると、宙に浮いたままの自分の手を不思議そうに眺め、そのまま呆然としている。

「いつまでくっ付いてるつもり?」

小さく息を吐いて言葉を投げると、ピッタリと付けられた体を浮かし、ゆっくりと顔を上げた
城戸さんと視線が絡む。

受け止めた相手が僕だった事が信じられないという顔をして、瞬きもせず固まっている。

元々のこの身長のおかげか、こんな至近距離で誰かと視線を交わすなんて、皆無だった事もあり、僕も視線を絡めたままでいた。

体育館に吹き抜ける風に遊ばれている、フワフワした髪・・・。

長い・・・まつ毛。

黒目がちな、大きな瞳・・・

その澄んだ瞳に吸い込まれそうになるのが怖くなる。

「ちょっと。顔、近いんだけど」

空いてる手で眼鏡を押さえて横を向いた。

『わ・・・わわわっ!ゴメンなさいっ!』

「あ、ちょっと!!」

急に動き出すからバランスを崩しそうになり、もう1度抱き寄せてしまう。

「ホント、いい加減にしてくれる?せっかく無キズで助けたのに、その後でケガとかされたら意味ないデショ」

嫌味な言い方をしながら、城戸さんの顔を覗く。

『ハイ、スミマセンデシタ・・・』

「・・・なんでカタコトなのさ」

ホント、読めないヤツ。

そう思って、口元が緩んでしまう。

「それで、いつまでそうやってる気?」

もう1度言うと、また慌てだし、降ろして欲しいと言うから、足が床についたのを確認してから手を離した。

ホント、変なヤツ。
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