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【 ハイキュー !!】~空のカタチ~

第18章 練習試合!


我ながら、まるで悪魔の囁きのようだなと自覚する。

『きっと惚れ惚れしちゃうんだろうなぁ』

ポツリポツリと言うと、菅原先輩の顔がパッと明るくなる。

菅「紡ちゃんにオレの勇姿を見せてあげる!」

『わぁ、ホントですか?じゃ、手加減なしの本気の勝負でお願いしますね?』

そう言ってネットから離れ、背中を向けた。

サーブは私からだから、ボールを拾いながら所定の位置に着く。

澤「城戸さんは、問題児の扱いが上手いよな。見てごらん?スガがさっきより気合い入ってる」

澤村先輩に言われ目を向けると、生き生きと指示出しをする菅原先輩がいた。

『小さな下火をつければ、炎上するのは時間の問題、って感じですかね』

澤「・・・なかなかの策士、だね」

『練習も公式戦も、楽しく心残りなく、勝ちましょう』

そう告げると、審判役を頼まれた清水先輩がホイッスルを鳴らした。

練習も公式戦も本気モードで行く。

幸い家の地下コートのネットは、中学時代から男子バレー部と同じ高さで練習してきた。

勝つ為に狙い打つ場所は・・・まず、あそこ。

そう狙いを定め、サーブを打つ。

放物線を描き、狙い通りの場所へとボールが向かう。

山口君はボールを捕らえるも、腕で弾いてしまう。

よし!

まずは1点目!

縁「サービスエース?!」

そう言いながら振り返る縁下先輩に笑顔を返し、戻ってくるボールを手にする。

もう1度、同じところへ。

そのまま3点目までを難無く奪い、もう1回そこへ打つよ・・・と言うような目で山口君を見る。

それに気がついたのか、相手コートの守備が少しずらされた。

あのサーブ、試しに打ってみようかな。

成功率はまだ低いとはいえ、慧太にぃに教わって確率的には随分と上がってる。

公式戦に出ない道を選んだ私には、試合形式で試す事が出来るなら、きっと今。

覚悟を決め、いつもより高めにボールを上げて打つ。

菅「ジャンプフローター?!」

確実に手には当たったけど、高さが足りない?!

ネットの白帯に触り、緩やかに向こう側に落ちた。

ギリギリのタイミングで田中先輩に拾われる。

やっぱり低身長だと、無理があるのだろうか。

“ やるなら出来るまで!! ”

岩泉先輩の言葉が脳裏をよぎる。

そうですよね、先輩。

もっともっと、練習しなきゃ・・・









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