第18章 練習試合!
影「城戸!ボケっとすんな!!来るぞ!」
『オーライ!!』
影山の声で、我に返りすぐさま配置に着く。
トスは田中先輩へと上がっている。
そのまま田中先輩はモーションに入り打ち込まれる。
轟音と共にボールが風を切り頭上を過ぎていく。
さすがパワースパイカーならではの勢いと言うべきか。
でも、こっちの落下地点には・・・澤村先輩がいる!
澤「甘いっ!」
そう叫び、澤村先輩がレシーブで上げる。
田中先輩のパワーもあってか、軌道こそ少しズレがあるものの、セッター役である私の所へボールが戻る。
誰に上げようか・・・と目だけでメンバーを見る。
“ 俺に寄越せ!! ”
鋭い視線で影山が私を見た。
さっき数分でもコートから出された事で、フラストレーションが爆発しそうな影山の目は、まるで鎖に繋がれたままで獲物を狙う野獣のよう。
だったらその窮屈な鎖を、外してあげる!
影山に向けて、高く高くトスを上げる。
・・・ちゃんと決めてよね!
言葉に出さず、目だけで叫ぶ。
それを見て影山は、口元を少しだけ緩ませ私には届くことのないソラへ飛び立って行った。