第18章 練習試合!
やっぱり主将って凄い、そう尊敬しながら、時間いっぱい何ターンも繰り返す。
スパイクを打つ時の、踏切から飛ぶまでのタイミング。
踏み切った後の、打点。
影山のピンチヒッターとはいえ、トスを上げるからには気持ちよく打って貰いたい。
澤「ラスト縁下!」
『オッケーです!』
澤村先輩の声に、大きく返事をする。
出されたボールを縁下先輩に向けて戻す。
縁下先輩がスパイクを決めたところで、タイマーが終了の合図を告げた。
ふぅ、と、一息ついて周りを見る。
さすがに少人数で回していたから、こちら側のコートにいる人間は、それぞれが軽く息をついていた。
菅原先輩達がいるコートを見ると、次々と打ち込まれるスパイクを処理していたから、1人を除いてみんなも軽く息をついていた。
菅「日向、生きてるか?」
床にへばりついた日向君に、菅原先輩が声をかける。
始まる前に澤村先輩が率先してレシーブする事を言っていたせいか、日向君は従順にそれをこなし、誰よりもコート内を動き回っていた。
仕方ないなぁ・・・
『あっれぇー?たった5分でそんなにへばるんじゃ、試合に出して貰えないかも知れないなぁ?ねー、澤村先輩?』
わざとらしく大きな声で日向君に呼びかけながら、澤村先輩に振る。
すると澤村先輩は、その意図が読めたようで。
澤「そ~だなぁ、試合は5分じゃ終わらないからなぁ~。スタメン誰にしよ~かな~」
澤村先輩もあからさまにわざとらしく日向君に聞こえるようにボヤく。
日「オレ!まだまだ元気残ってます!!」
澤村先輩の声に反応するように飛び起き、両腕をグルグルと回す日向君に、私と澤村先輩は顔を合わせて笑った。
そんな日向君を見て、月島君はとことん嫌気がさした顔を向けていた。
月「・・・単純過ぎるにも、程があるデショ・・・」
お互いネット近くにいるから、そんな呟きも聞こえてしまう。
私が振り向き視線が合うと、月島君はハァと息をついてそっぽを向いてしまった。
そんな風な態度をされても仕方ない。
もともと私と月島君は、あの3対3の試合の時にぶつかってしまっている。
なのに、マネージャー補佐として来ている事や、現状、コートにいる事が気に入らないんだろうな・・・とは、何となく伝わってくる。
何せ私は、彼が嫌う所の、努力でどうにもならない身長の持ち主の1人だから。