第17章 陽だまり
両手で小さくガッツポーズをして、入口まで早足で近づいた。
ピッタリと閉められている扉に、そっと耳を近づけてみる。
澤「じゃあ次!腹筋30!」
「「「ッス!!!」」」
やっぱりアップの最中かぁ・・・
私はそこから離れ、体育館の通路へと移動した。
壁に寄りかかり、ボンヤリと空を見上げる。
ゆっくりと雲が流れて行き、春先の太陽がチラチラと顔を出していた。
時折吹く風が耳元をくすぐり、いたずらに髪を撫でて行く。
4月とはいえ、まだ朝のこの時間の風は、ほんの少しヒンヤリとしていた。
体が冷える前に、もう少し日陰が薄いところに場所を変えよう。
そう思って体育館通路を行ったり来たりしながら、ここならいいかと腰を下ろして待つ事にした。