第16章 初めの1歩
澤「すみません、長々とお邪魔してしまって」
菅「それに食事まで・・・色々とご馳走様でした」
「いいっていいって。誰かに美味しいって言って貰えると作りがいあるし?それに料理は好きだからさ。もし良かったら、また食べに来てね?」
「「「あざっす!」」」
澤「それじゃ、お邪魔しました」
「うん、気をつけて帰ってね」
彼らを少し見送ってから、門扉を閉め家に入った。
さて、洗い物を終らせてから紡の様子を慧太に見に行ってもらうかな。
そう考えながらリビングへ入ると、既に洗い物は慧太が終わらせていた。
「あ、慧太ありがとう」
慧「いーや?大したことじゃねぇよ」
タオルで手を拭きながら慧太が返す。
慧「それより、オレは紡の様子を見に、」
慧太が言いかけた所で、リビングのドアが開いて紡が顔を出した。
『あれ・・・?桜太にぃ、みんなは?』
「ついさっき、3人とも帰ったけど・・・」
『嘘?!どれくらい前?!』
「ほんの5分くらい前かな?どうかした?」
『5分くらい前・・・桜太にぃ、ちょっと出てくる!』
「ちょっ、紡?!」
声をかけるも虚しく、紡は上着も羽織らずに慌ただしく家を飛び出して行った。
「慧太、俺も出てくる!」
後を頼んで、俺は紡を追うように家を出た。