第16章 初めの1歩
笑いながら言って、影山をもう一度見る。
影「澤村さん達が心配するような事は誓ってないです。・・・城戸だし」
『ちょっと影山!その言い方酷くない?!私にだって選ぶ権利くらいあるんだからね!』
影「なっ、俺だってある!」
『もぅ~、すぐ影山はそうやって』
影「は?!お前こそ!」
菅「あ~コラコラ~ッ!!紡ちゃん落ち着いて!それから影山も!」
流れが怪しい方向に向かいそうになる所を、菅原先輩が間に入って止める。
その様子を見ていた澤村先輩が笑いだし、私と目が合うと腕を組みながら頷いていた。
澤「なんか、大丈夫っぽいな?スガ、ここは影山に任せよう。城戸さん、俺達は下で待たせてもらっても?」
『あ、はい、大丈夫です。リビングで待っていて下さい。桜太にぃに言えば大丈夫ですから』
私がそう言うと、澤村先輩はありがとうと返した。
菅「どうせだから、コレ片付けちゃうね」
言いながら菅原先輩が2人分のグラスを持つ。
後で纏めて私がやるからと断っても、下に降りるついでだからと言われてしまうと、それ以上無理に止めるのも・・・と思い、申し出に甘える事にした。
澤「それじゃ、下に降りてるから。あと、影山。明日の練習は8時半集合の9時スタートだからね」
菅「大地?急になに?」
澤「ん?いや、念の為、かな」
ハハッと小さく笑い、澤村先輩はドアを開けた。
ドアを押さえ、グラスを持った菅原先輩を先に通し、それに続いて澤村先輩も部屋を出た。
澤「それじゃ、リビングにお邪魔してるね?」
そう言って澤村先輩は、そっとドアを閉めて行った。