第16章 初めの1歩
澤「これから時間が平気なら、家で話さないか?って。それで、とりあえず行くことになったんだけど・・・」
菅「それで?お兄さんの感じはどうだった?」
菅原さんが、腕を組み考える仕草をする澤村さんに矢継ぎ早に聞く。
澤「いや、なんか拍子抜けしたっていうか。もっと、妹に何の用事だ!とか、言われるかと思って構えてたんだけど。穏やかな人だってことは電話越しにも分かった」
「桜太さんは、城戸の1番の理解者だと思います。城戸と話す時なんかも、見てると分かります。感情の激しいタイプではないです」
俺が言うと、2人はホッとした顔を見せる。
澤「それで、影山には悪いんだけど・・・」
澤村さんの言いたいことはすぐにわかった。
チラと菅原さんを見ても、俺と視線が合うと大きく頷いている。
「分かりました。城戸の家に一緒に行きます」
それだけ言って、俺は荷物をまとめた。
背後では菅原さんが、オレも行くからなどを澤村さんに話しているのが聞こえる。
手早く荷物を背負い、2人の元へ戻る。
「行きましょう。案内します」
そう言って3人で城戸の家へと向かう事にした。