第15章 3対3 + 1
清水もノートを凝視しながら、そう呟いた。
澤「それで今、彼女は?」
ノートを見ながら大地が聞いてくる。
「それが、もう帰っちゃったみたいでさ。オレ自身、これを受け取ったのは縁下からなんだ」
澤「縁下?」
「そう。オレと大地が話してたから気を使っちゃったみたいでさ、縁下に預けて帰ったみたい」
オレが言うと、大地は“ そっか ”と呟き何か思考している。
清「ホントはあの子、菅原がセクハラするから縁下に渡したんじゃないの?」
クスリと笑いながら清水が言った。
「なっ!違うから!」
慌てて反論すると、清水は“ どーだか? ”と更に笑う。
澤「スガ、彼女の連絡先って分かるか?」
大地に聞かれ、知ってると答えると、差し支えなければ教えて欲しいと言われ、別に構わないけどと答えながら、でもどうして?と聞き返す。
澤「この前からチラッと頭の片隅にあったんだけど、彼女、うちのマネージャーにどうかな?って思うんだけど、スガと清水はどう思う?」
「どうって、それは大歓迎だけどさ」
清「私も菅原に同意見かな。いつかは私達もいなくなってしまうし、こんな記録書けるのなんて、そうそういないでしょ?」
澤「だよな。それに、俺が思うのはそれだけじゃないんだ。今日の様子を見ていて、影山と日向、そして田中までも上手いこと扱えてるし、そういうのってなかなかいないんじゃないかと。だから、電話してお願いしてみようってね」
清水の言葉に頷きながら、大地はそう言った。
清「でも、それなら電話じゃなくて直接顔みて話した方がいいと思うけど。マネージャーって、澤村や菅原が考えてる以上に大変だし?」
澤・菅「「いつも大変お世話になってます・・・」」
思わず大地と2人で清水に頭を下げた。
清「今更ですか」
清水の言葉で、オレ達は3人で笑った。
「直接って言ってもなぁ・・・連絡先は知ってるけど、さすがに家とかまでは知らないしなぁ」
話が盛り上がった途端に、行き止まりにぶつかる。
でも、清水が言うように電話じゃなくて直接話をした方がいいし。
明日も練習あるけど、さすがに3対3が終わっちゃったから、紡ちゃん、もう来ないだろうしなぁ・・・
3人でどうしたものかと思案する。
澤「あ、影山は?確か同じ中学出身だから何か知らないかな?」
そうだ!
その方法があった!