第15章 3対3 + 1
先生の話す言葉が、オレには衝撃過ぎて・・・
思わず・・・黙り込んだ。
っていうか、そもそもなんで青城は影山が烏野にいることを知っているんだ?
青城は北川第一のヤツらが大半バレー部に入る。
そこからの情報で知られているのか。
どちらにしても、今回の練習試合では指名されている。
その条件さえ飲めば、先生が苦労して取り付けてくれた練習試合が成立する。
それに・・・
オレはこれからの烏野の可能性を確かめたくて、その条件を受け入れることにした。
「いいじゃないか、こんなチャンスそうないだろ?」
田「でも、烏野の正セッターはスガさんじゃないっスか?!」
オレの言葉に被せるように、田中が食いついてくる。
「オレは、日向と影山の攻撃が4強相手にどれだけ通用するか、見てみたい・・・」
そう言って、大地と顔を合わせる。
大地もそう思うだろ?
そう、目だけで問いかけてみる。
大地は一瞬だけ、瞳を揺らしたけど、でも、オレの意図に気がついてくれた。
澤「先生、詳細をお願いします」
大地がそう言うと、先生は詳細を説明してくれて、それぞれが練習に入る準備を始める。
田中はまだ納得いかないようだけど、ま、分かってくれるべ。
ため息をひとつ吐く。
あれ?そう言えば・・・
ようやくそこで、紡ちゃんの姿が見えない事に気がつく。
確かさっきまでは縁下と話をしていた事は分かっている。
その後は・・・どこ行ったんだ?
「おーい、縁下」
用具室から出てくる縁下を呼び止め、オレも縁下の方に歩き出した。
「あのさ、さっき紡ちゃんといたよね?」
オレが聞くと、縁下は“ あぁ ”とひとつこぼした。
縁「あの子なら、さっき帰りましたよ?」
「えっ?マジで?全然気づかなくて」
縁「声は掛けようとしてたみたいですけど・・・大地さんと話してたのを見て、邪魔したら悪いからって。あ、そうだ。あの子から預かってる物があるんですけど・・・」
縁下は、いま持って来ますと言って1度立ち去り、すぐにそれを手にして戻ってきた。
縁「これです。菅原さんか大地さんに渡してくれって預かりました」
そう言って縁下はノートを差し出してきた。
「これは?」
縁「中身については俺もよく分からないんですけど、何かのお役にって、確かそう言ってましたけど・・・」