第15章 3対3 + 1
~菅原side~
3対3の対決が無事終わり、正式に影山と日向の入部も決まった。
1週間の朝練、長かったなぁ・・・
でもこれで、烏野バレー部の新しい1歩が踏み出せるんだ。
「大地、新入部員4人も入ったな!」
声高々に言うと、大地も笑顔で返してくる。
澤「スガも田中も、なんかいろいろやってくれたんだろ?ありがとな」
「えっ?!いや、べ、別になにも・・・」
ば、バレてた?!
さすが大地・・・
ちょっと焦りながら答えると、大地が笑う。
澤「とりあえず丸く収まって良かった・・・」
大地のその言葉に、オレと、そして隣にいた清水はお互いに顔を合わせて笑う。
「オツカレ!」
清水と一緒に大地の肩を叩く。
大地は“ なんだ? ”と驚いていたけど、大地は大地なりに影山達の事を気にしていたことを、オレも清水も、ちゃんと知ってる。
影「おい、日向!休んだか?!休んだな?!」
どうしたんだ影山は。
オレも大地も同時に声のする方を見た。
影「もう1回クイックの練習するぞ!さっきの感覚残ってるうちに!!・・・田中さん、ボール出しお願いします」
田「もう動くのかよ・・・」
さっきまで一歩も動けない状態だったのに、もう練習したいのか?
田中まで引っ張り込んで、全く元気なヤツらだな。
「おい影山、休める時はちゃんと、やす・・・」
“ガラガラガラッ!!!”
気合いで張り切ろうとする影山に声を掛けようと1本踏み出した所で、体育館の扉が勢いよく開けられ、興奮気味の武田先生が飛び込んで来る。
武「組めたー!組めたよー!練習試合!!相手は県のベスト4、青葉城西高校!」
武田先生?
練習試合組めたって・・・青城と?!
なんでそんな所が、うちと?
澤「先生、あの・・・」
武「いやぁ。アチコチ練習試合のお願いに行ってたから、全然こっちに顔出せなくて・・・」
菅「・・・先生。青城なんて強いところと、どうやって・・・」
澤「まさか、また土下座を・・・」
武「してない、してない。土下座得意だけど、してないよ、今回は。ただ、条件があって・・・」
澤「条件・・・?」
大地が先生の言葉に反応して、オウム返しになる。
武「条件は、影山君をセッターでフルに出す事」
影山を、フルで?
じゃあ・・・オレは・・・?
オレは必要じゃないのか・・・