第15章 3対3 + 1
『嘘つきの・・・仮面、か・・・』
澤「なに?」
何かを考え込んでいると思ったら、そんな言葉を呟いた。
嘘つきの仮面って、なんだ?
思わずスガを見ると、スガもなんの事だか分からないといったジェスチャーを返してきた。
城戸さんと山口を見ると、いつの間にかコッソリ内緒話のスタイルで
『ね?わかった?』
なんて言って、山口の腕を離す。
山口君は・・・というと、照れ隠しなのか、顔を逸らしながら曖昧に返事を返す。
『ほらまた!ちゃんと真っ直ぐ見て返事して!』
おぉっ?
山口の曖昧な態度と返事が良くなかったのは理解できる。
・・・が!!
山「わ、わわわかったから!手ぇ離してっ・・・」
だよなァ・・・あんな風にされたら、山口じゃなくたって動揺するよな。
あれは意図的なのか、それとも無意識なのか?
どちらにせよ、自分より遥かに体格差のある相手に怯むことなく・・・なんて、強者だな。
『ちょっと影山!危ないでしょ!』
今度はどうした?!
影「るせぇ!お前はイチイチ距離が近いんだよ!!」
今度は影山かよ・・・元気な1年達だな、ホント。
『うるさいのは影山でしょ!借り物の上着なのにヤメテよね!!』
城戸さんはそう言い返しながら、ジャージをパタパタと払う。
「だからか、なるほど!」
菅「・・・大地?どうかした?」
彼女がジャージを着ている事を再確認して、思わず声に出た。
「さっき声をかけながら走ってきた時、一瞬誰だか分からなかったんだけどさ。それって、うちのジャージを着てたからなんだなってね」
それを聞いて、またも申し訳なさげに謝ってきた。
あはは、なるほどな、縁下のを着てたのか。
まぁ、確かにブカブカな感じが可愛らしいな。
大人の服を、子供が着てる・・・みたいな?
日「でもさぁ、なんか城戸さんちょっとエロい・・・」
な?!日向?!
『ひ、日向君?!急になに?!』
日「え?だってなんか、ジャージの下に何も着てないみたいに見える」
菅「そう言われると、紡ちゃん、彼シャツみたいで、ヤバイ・・・」
おいおい、スガまで乗っかるなよ・・・
『なっ!ちゃんと着てますから!!ほらっ!!』
そう言って、躊躇いなくジャージをペロンと捲る。
おいおい?!
日「ワーッ!」
『だから下に着てるから!!』
いや、そうじゃなくてな。