第14章 眠れぬ夜と揺れる思い
翌朝、カーテンの隙間から入ってくる光で目が覚める。
久々によく眠れた感じの目覚めに、大きく手足を伸ばす。
ゴソゴソと毛布に包まったまま、枕元に置いていたスマホの行方を探す。
ようやく探し当て、時間を確認しようとすると、LINEメッセージが3件、届いていた。、
あれ?昨夜は気が付かなかったな・・・
メッセージを開けてみると、
【 明日、ぜったい勝つから。オレ、ぜったい負けないから!それでバレー部に入れてもらう!!】
うん、そうだね。
日向君だったら、絶対頑張れるよ。
【 明日は俺達が勝つ 】
影山、俺が・・・って言わなくなったのは大きな進歩だよ。
【 いよいよ決戦日!明日のうちの部は、集合8時半って大地が言ってたから、何だかんだやって、9時くらいから3対3開始かな?紡ちゃんはどうする?見学に来てくれるなら、応援大歓迎だよ☆】
菅原先輩、公式戦でもないのに応援大歓迎って。
応援、か。
私はまだ、揺らいでいた。
影山と日向君の頑張りは、ずっと見てきた。
その集大成ともなる今日の決戦、出来ればリアルタイムで見たい。
でも・・・・・・
気持ちがグラグラしながらも、影山と日向君には頑張って!と返信をした。
時計を見ると、今は7時半を回ったところ。
この時間なら菅原先輩も返信しても大丈夫かな?と思い、たどたどしく文字を打った。
【 連絡ありがとうございます。今日の決戦、どうなるかは未知数だけど、頑張って下さい。でもきっと、あの2人なら大丈夫だと思います!】
行くとも、行かないとも書かず、そのまま送信する。
ズルイ・・・書き方だとはわかってる。
でも、ハッキリと行く事も行かない事も、決められないのに、それを返事にする事ができなかった。
誰かから返信が来た時に困るから、スマホを片手にリビングへと向かった。
ガチャりとドアを開け顔を出すと、誰も居なく静かな空間が広がっていた。
テーブルにスマホを置き、洗顔の為にリビングから出ると、今ちょうど向かう場所から慧太にぃが出てくる。
慧「今日はのんびりだな」
『慧太にぃは逆に早起きだね』
そんな言葉を交わしながら入れ違う。
手早く朝の支度をしてリビングへと戻ると簡単で悪いなと言いながらも朝食を並べてくれていた。
『桜太にぃは?』
慧「桜太ならさっき出かけたよ」