第13章 決戦前日
私たちの様子を見ていた菅原先輩と日向君を振り向き、ね?と同意を求めた。
菅「えっ?あ、あぁ、そうだね」
菅原先輩は少しオタオタしながら答えてくれる。
日向君を見ると、真っ赤な顔でお弁当をかき込んでいる。
どうしたんだろ、2人とも。
影山はまだ知らんぷりの方向を向いてお弁当食べてるし。
みんな変なの。
小さく息を吐き、お弁当をつついた。
放課後になり影山と廊下に出ると、既に日向君が待ち構えていて、早く早くと私達に手招きをする。
3人で昇降口に向かいながら、昼休みに菅原先輩が言っていたことを思い出し、2人に聞いてみる。
『菅原先輩がお昼に言ってたんたけど、今日の昼休み練習は明日の為にお休みにしたって。放課後練習はどうする?』
すると2人は1度顔を見合わせ、声を揃えて練習はする!と言った。
私は予想通りの返答にちょっと笑いながら、じゃあ早く帰って練習だねと言うと、競走する必要はないのに、2人は急に駆け出し靴を履き替えていた。
あの2人、なんだかんだとソックリ。
私はもう一度笑って、
『ちょっと!置いてかないでよ!』
といいながら、2人のあとを追った。
家に着くと、既に桜太にぃは着替えを済ませ、慧太にぃも今日は休みだったのか、アクセサリーを外して髪を縛って準備されていた。
『ただいま。2人とも、なんか凄いやる気満々なんだけど、どうしたの?』
私が笑いながら聞くと、2人は顔を合わせて笑う。
桜「俺は朝からこの格好なんだけどね。どこも出かける予定ないし、楽チンな格好だから。でも慧太はね~」
そう言いながらクスクス笑う。
慧「うっせぇな。いいだろ別に。仕事休みで暇だったんだよ!おい、そこの2人とも!早くコート行くぞ!」
影・日「「シャッス!」」
バタバタと3人は地下のコートに降りていく。
そんな姿を桜太にぃと見送ると、2人で顔を合わせて笑ってしまった。
桜「まったく、慧太はいくつになっても夢見る少年だ」
『えぇ~、あの髭で少年~?』
私は笑いながら、とりあえず着替えてくると言って部屋に向かった。
***パタン***
部屋に入り、ドアをしめる。
放課後の練習も、今日で終わり。
そう思うと、何だかため息ばかり出てしまう。
当たり前の事だけど、みんな、目指す物の為に一生懸命なんだよね。