第13章 決戦前日
今日は朝からいろんな出来事があったから、午前中の授業はあまり頭に入らなかった。
日向君のレシーブやスパイク、影山が日向君に初めて上げたトス。
そして、その後の出来事・・・
日向君の行動にも驚いたけど、田中先輩や菅原先輩まであんな風にからかうし。
何となくモヤモヤしながらお弁当の手提げを掴むと、私はいつもの様に1人で教室を出た。
行き先は、いつもと変わらないあの場所。
目的の場所に着くと、私はいつもと同じ場所に腰掛ける。
今日まで、あっという間だったなぁ・・・
決戦の日は明日って言ってたから、私はもう、月曜日に普通に学校来て、それで影山と日向君達に土曜日どうだった?って聞いて・・・
たまに昇降口や廊下で、田中先輩や菅原先輩を見かけたり、そして放課後になったら1人で帰って、宿題やったり、担当日に家事こなしたりしながら1週間が過ぎて・・・
また、月曜日が来て。
なんだろう、この、私だけ置いて行かれる様な感じ・・・
もしかして私・・・寂しいって、思ってるの?
『そんなこと、ないよ。日常に・・・戻るだけじゃん・・・』
声に出してポツリと呟く。
マグボトルのミルクティーを1口飲み、ため息をついた。
「やっぱりここにいた!紡ちゃんみ~っけ!」
急に名前を呼ばれ、顔をあげると菅原先輩が身の前まで歩いてくる。
『菅原先輩・・・どうして?』
いつもなら日向君とレシーブ練習とかしてるのに。
菅「どうして?・・・って、そんなに警戒しないでよ~」
爽やかな笑顔を見せながら歩いて来ると、隣りいい?といいながら、少し間隔を開けて腰を下ろす。
菅「今日は朝からアレだけのものを見せてくれたし、明日に備えて昼休みの練習は控えとこうって事にしたんだよ」
私の考えを読みとったのか、菅原先輩は笑いながら言った。
菅「あ、でももうすぐ日向もここへ来るよ?折角だからさ、お弁当みんなで広げるべ?って誘ったら、牛乳買ったらすぐ来るってさ」
はは・・・私は1人でいたかったんだけどな。
フゥと息をつき、もう一度ミルクティーに口をつける。
間もなくして、スガさんどこー?!という声と共に日向君がやって来た。
日「あ!いたいた!来る途中で影山発見したから引っ張って来た!」
影「ぅす・・・」
1人の時間はあっという間に閉じられてしまった。