第13章 決戦前日
日向。
俺にはお前が、必要なのかも知れない・・・
スパイクを打った日向が、床に突っ伏す。
直後に菅原さんが何かを騒いでいたが、俺は気にせずタオルを取りに動いた。
ふと横を見ると、城戸が俯いたまま動かないでいる。
何してんだアイツ。
カバンからタオルを取り、城戸に声を掛けようと近づく。
?!
泣いてんのか?!
なんでだ?!
俺は思わず手に持っていたタオルを投げる様に頭から被せた。
「お前、ナニ泣いてんだよ」
『影山・・・?』
被せたタオルを外し、俺に手渡そうとする。
その目には、まだ涙を浮べながら。
「気が済むまで被っとけ。お前が泣いてると・・・俺が、困る、んだよ。だから早く泣きやめ・・・」
お前の涙を見ると、胸の奥が痛くなる・・・
なのに、慰める言葉なんてわからねぇ。
出来るのは、そばにいることだけ。
だから泣くな・・・
ずっとそばにいてやるから。
もう一度、その思いを胸にしながら。
俺は躊躇いながら城戸の肩に腕を伸ばした。