第40章 指先が奏でるもの
繋「ただ、あの及川ってヤツが青城ってチームを熟知していて、100パーセントの力を引き出せてるって感じじゃねぇのかなぁ?と俺は思うが・・・チビ助、お前はどう考える」
『へっ?!そこでいきなり私に振るの?!』
突然そう振られて思わず私も急に言われても、と返す。
繋「お前はあの及川と同じ中学出身だろ?男子と女子じゃ同じコートで練習って事はなかっただろうが、中学の時もあんな感じでセッターとしてチームを引っ張ってたのか?」
『まぁ・・・そう、かなとは思うけど。でも、それなら私じゃなくて影山の方が、』
もっと近くで見てるんだし、と言いかけると、急に日向君が大きな声を出す。
日「大王様カッケー!早く試合してぇ!」
西「おぅ!サーブでオレ狙って来んねぇかな!!取りてぇ!」
日「ノヤっさんもカッケー!!」
そんな2人に、繋心は頼もしいなと苦笑を見せる。
西「おい見ろよ翔陽!テレビだぞ!!」
日「えっ?!テレビ?!オレも映りてぇ!!」
テレビ局のカメラを見つけた日向君と西谷先輩が身を乗り出すようにして騒ぐのを見て、私は咄嗟にノートを影山に押付けて2人の元へ駆け寄った
『ちょっと日向君に西谷先輩ダメですよ、静かにしてないと怒られますから!』
そんな私の声と同時に、階下にいるスタッフさんが騒ぎ声が聞こえた私たちの方を見上げた。
「こらこら、そこの中学・・・いや、小学生?とにかくそこの3人、試合中なんだからもう少し静かにね」
日「しょ・・・うがくせい・・・」
西「・・・すみません」
えー・・・私、止めに入っただけなのに、思いっきり巻き添いじゃん・・・
小学生と見間違えられた日向君と西谷先輩がガックリと肩を落とす隣りで、同じように騒いでいたと思われた私も消沈する。
中学生ならまだしも・・・小学生、って・・・えー・・・
『違うのに・・・』
月「やっば誰が見てもポチは小学生に見えるんだね・・・ププッ・・・」
山「ツツツ・・・ダメだよツッキーそんなこと言っちゃ・・笑っちゃダメだってば」
そういう山口君だって、笑い堪えて肩が揺れてるよ!!
『月島君・・・聞こえてるからね・・・』
月「・・・地獄耳の小学生?」
『ちょっと!!』
澤「まぁ、そんなに怒んなさんなって。女の子が小さいのはいいんじゃない?可愛らしくて」
『か、可愛らし・・・い』