第12章 超絶?!秘密の特訓開始!
桜「つ、紡?!」
桜太さんはあからさまに動揺して城戸さんの名前を呼び、慧太さんは影山の方を掴み
慧「影山君?そうなのか?」
と、詰め寄った。
影「ち、ちちち、違っ、違います!おいコラ日向ボゲェ!いきなり何わけわかんねぇこと言ってやがる!」
影山は叫びながら慧太さんの手を離れ、代わりにオレに掴みかかってくる。
日「なんだよぅ、ちょっと聞いたたけじゃんか。何でそんなに怒ってんだよ」
影「あぁ?!」
『ちょっと影山!やめなさいって。その手を離して、ね?』
城戸さんが間に入り、その言葉に影山も素直に手を離す。
『日向君も急にどうしたの?』
影山の体をそっと押しのけ、そして掴まれていたオレのシャツをポンポンっと払いながら城戸さんが覗いてくる。
日「いや、なんか。影山と城戸さんって、阿吽の呼吸っていうか、その、全部言わなくても分かりあってるみたいなところがあるから。だから、付き合ってんのかな?とか」
オレがそうポツリポツリと言うと、城戸さんはケラケラと笑い出した。
『日向君そんな風に思ってたの?私と影山でしょ?ナイナイ、そんなのないよ』
影「おい!城戸も笑いすぎだろ!」
『だって、影山だよ?王様だよ?フフフッ』
影「その呼び方やめろって言ってんだろ!」
『はいはい、気をつけまぁす』
ほらね、やっぱり仲良しじゃん。
2人は同じ中学で、お互いバレーボールやってたって聞いてるけど。
なんかそれだけじゃない感じがする。
特に、影山は。
絶対に城戸さんの事、好きだ。
だって城戸さん、分け隔てなく優しいし、親切だし、可愛いし。
初めて廊下でぶつかっちゃった時、可愛い子だなぁって、ちょっと思っちゃったし。
それで、レシーブ特訓を一緒にやってくれるって決まった時は、スゲー嬉しかったし!
城戸さんが褒めてくれると、ドキドキして喜んだり!
クラス違うのに一緒にいる時間増える!って、レシーブ練習より、嬉しくなっちゃったり。
・・・ん?
あれ?
イヤイヤイヤ、そうじゃなくて。
レシーブ練習より嬉しいってなんだ?
ドキドキするって、なんで?
オレはさり気なく、胸に手を当てて、更にその場所を見てみた。
『日向君?百面相?』
顔を覗いてきた城戸さんと目が合った。
黒目がちな・・・大きな目・・・