第12章 超絶?!秘密の特訓開始!
~日向side~
桜「今日はここまでにしようか?」
桜太さんの言葉に、それぞれがフゥっと息を吐く。
まさにオレも、なんだけど。
昨日に続いてレシーブ練習に付き合ってくれている城戸さんのお兄さん達。
今日は影山との言い合いがきっかけで、ちょっとしたロスタイムが出来たせいなのか、練習再開後は結構ガッツリめにしごかれた感じがする。
そのお陰もあって、かなりレシーブでボールを返せるようにまでなったんだけど。
『日向君、生きてますかー?』
床に突っ伏したままのオレを、ツンツンっとしながら城戸さんに声をかけられた。
日「大丈夫・・・何とか生きてる」
そう言って顔を上げると、城戸さんが笑いながらタオルを渡してくれた。
『日向君は凄いよね?!最初にレシーブ見た時は全然取れなかったのに、あっという間に上達しちゃうし?やっぱり桜太にぃ達は教え方が上手いし、日向君だって飲み込みいいし、私が教えるより断然正解だったかもね!』
そんな事をいいながら、オレを起き上がらせるために手を差し出してくれ、オレもその手を掴み起き上がる。
ピリッとした視線を感じて、その方向を見ると・・・
やっぱり・・・。
影山が、アンタ蛇ですか!って聞きたいくらいの視線で、オレ達を見ていた。
また、だ。
昨日もそうだし、何でオレが城戸さんと楽しそうにしていると影山が怒ってんだよ。
わけわかんねー。
タオルでゴシゴシと汗を拭きながら、城戸さんとコートの入り口に向かうと、影山もボールを集めながら歩いてくる。
ボールケースに黙々とボールをしまい、肩口で汗を押さえながら影山がこっちに来た。
影「おい」
『あ、影山もタオルね?はいどうぞ?』
・・・?
影「城戸」
『はい、ドリンク飲む?』
そう言ってジャグからドリンクを注ぎカップを影山に手渡す城戸さん。
んー・・・。
この2人、どういう関係なんだ?
なんかこう、全てを語らずとも理解している会話のやり取り。
城戸さんはお兄さん達やオレにもカップを配ってくれた。
オレはそのカップの中身をじっと見ながら、つい、言葉に出してしまった。
日「影山と城戸さんは、付き合ってるの?」
オレが漏らした言葉に、ドリンクを飲んでいた桜太さんと慧太さんは同時に吹き出し、影山と城戸さんは目を丸くしてオレを見る。
桜・慧「「えっ?!」」